恋に落ちた海賊王*ナギ

□Happy Birthday
1ページ/5ページ


ソウシ『この本で間違いないかな?』

「これです!ソウシさん、ありがとうございます!」


ある港街。
あゆみはソウシと二人、本屋で買い物をしていた。



もうすぐ恋人になって初めてのナギの誕生日。


以前寄った港の酒場は、酒場にしては珍しく沢山の本が並んでいて。

ナギは酒もまともに呑まず、そこで見つけた料理本に夢中になっていた。


その後その本を求めて本屋へ向かったのだが、結局見つからなくて…


ナギがあんなに物を欲しがるなどそうそうない事だから、探して誕生日プレゼントにしようと決めていたのだ。


それをソウシに相談したところ、今回寄った港に行きつけの本屋があるからと、わざわざ取り寄せをお願いしてくれたのだ。



本を手に、船内へ戻る二人。


ソウシ『あゆみちゃん、良かったね。』

「はい♪ソウシさんのおかげです。本当にありがとうございました!」


そんな話をしていると、厨房からナギが出てきた。


ナギ『あゆみ、戻ったのか?』

「ナ、ナギ!戻ってたんだね!」

ナギ『あぁ、ついさっきな…』


突然ナギに声を掛けられて、咄嗟に本を隠すあゆみ。


「荷物部屋に置いたらすぐ手伝うね!」

ナギ『あぁ…』


そう言って慌てて部屋に戻るあゆみ。


渡すまではナギには内緒にしておきたい。

そのせいか何だかぎこちなくなってしまって…


そんなあゆみの様子にナギは怪訝な顔をしながらも、深くは問いつめなかった。



部屋に戻るとすぐさま本を取り出し、用意しておいた別のプレゼントと共に、ラッピングの袋へ入れる。

万が一本が見つからなかった時の為に、新しいバンダナとエプロンに、それぞれエメラルドグリーンでNの刺繍を施した物を用意しておいたのだ。


「ナギ、喜んでくれるといいな…」


プレゼントをそっとベッドの下へと隠し、あゆみはナギの元へ向かった。





片付けと仕込みの手伝いを終えたところで、あゆみはナギにあるお願いをする。


「ナギ…あのね、少し厨房借りてもいいかな?」

ナギ『…何か食いたいなら俺が作ってやるぞ?』

「えっ…その、どうしても自分で作ってみたい物があって…」

ナギ『…分かった。じゃあ終わったら呼んでくれ。』

「うん!ナギ、ありがとう!」


ナギはモヤモヤした気持ちを抱え、厨房をあとにした。





→NEXT
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ