恋に落ちた海賊王*ナギ
□いつも傍に。
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〜あゆみSide〜
(眠れないなぁ…)
今日はナギの不寝番の日。
いつも傍にあるナギの温もりが、今日は感じられない。
恋しくて寂しくて、枕に顔を埋めるとナギの匂いがする。
いつだって傍にいるのに、ほんの少し離れただけで寂しくて、会いたくて…
いかに自分はナギに惚れているのか、思い知らされる。
ナギに出逢うまで、こんな気持ち知らなかったよ…。
(ナギに会いたい…)
どうしても我慢できなくなったあゆみは、差し入れを持ってナギの元へ向かった。
「ナギ!」
見張り台の上にいるナギに小声で話しかける。
ナギ『あゆみ?どうした?』
ナギの声を聞いただけで安心して、笑顔になるのがわかる。
「寒いかなって思って…ココア持ってきたの。」
ナギ『あぁ…ありがとな。ほら。』
そう言って差し出してくれる手に掴まって、見張り台へと登る。
ナギは優しい笑顔で出迎えて、ポンポンと膝の間に座る様に合図する。
ちょっと照れくさくなりながらもちょこんと座ると、ナギが後ろからギュッと抱きしめてくれた。
ナギ『寒くないか?』
「ナギのおかげで暖かいよ?…ふふっ」
ナギの匂いに包まれて、ナギの温もりを感じて…
それだけで幸せで顔がニヤけてしまう。
本当は朝が来るまでこうしていたい。
でも心配性のナギの事だ、きっとそれは許してくれないだろう。
だからせめてこのココアがなくなるまでは…と時間をかけてゆっくりとココアを味わうあゆみだった。
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