短編集

□死ニ損ナイノ、哀レミ兄弟
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人が亡くなる時にゃ予兆があるときとないときがございやす。
病気にかかり助かる見込みがない場合余命何ヶ月なんか言いやすが、不運な者はぱったりと亡くなるもんでやんす。
病気で余命が分かっていても死ぬ時とはいきなりくるもんでさァ。
死ぬその時とは殺人であったり心臓発作であったり事故であったり...。
死ぬ時が分かるのは自殺ぐらいでやんしょ。
事故なんかで死ぬとよくあるのが自分が死んだことも知らずそのまま幽霊になることでさァ。
自分が死んだことも知らないとなると知り合いに声をかけても無視され、しまいにゃ自分の葬式を見る羽目になりやす。
それの悲しいこと悲しいこと。
自分がどう死んだのかも覚えてないときもあるんでございやす。
どう成仏していいのか分からず、ずっと自分が生きるはずの世界を眺めているのでやんす。

ですが辛いのは残された親族も同じ。
悲しさのあまり暫くは立ち直れず自分の部屋に引き篭もりとんと姿を現さなかった人の噺も聞いたことがありやす。
考えてもみてくだせぇ。
今、この時、どこかで誰かが死んでいる。
その誰かが親だとしたら。兄弟だとしたら。
貴方はどう思いやすか。
やったああああああああああ!!煩いのが消えた!!!
そう思う人はいやせんか。
そう思ったとしても本当に心の底からそう思いやすか。
両親を失えば貴方が学生の場合、これからの生活はどうしやすか。
親戚に引き取れる。そんなに上手い話がありやすか。
通夜や葬式などは誰が取り仕切るんでやんすか。


<作成中>

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