短編集

□二人で一人、夜散歩
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そもそもドッペルゲンガーやダブルとは、ということからお噺していきやしょうか。
まぁ、簡単に言ってしまえやぁ自分とまったく同じ姿をした者がもう一人存在する事でございやす。
現れる場所はその人が関係のある場所であると言われておりやす。
ですが、ドッペルゲンガーとダブルが同じ点なのはここまでで、ここからは微妙な違いになるんでさァ。
分かり易い...とは言い難いでやんすが、その違いとは意識の状態にあるんでございやす。
ドッペルゲンガーは自分の意識ごと身体から抜け、人の形となり辺りをうろつく...いわば幽体離脱のようなもんでやんす。
だけど、また幽体離脱と違うのがドッペルゲンガー。
だって、ドッペルゲンガーは幽霊のような幽体離脱とは違って他人に見えるんでやんすからね。
ああ、あとドッペルゲンガーは物にも触れることができ、壁を通り抜ける事はもちろんできやせん。
それに対し、幽体離脱は物にも触れることができず、壁を通り抜けることができやす。
ですが、ここで新たな不思議な点が浮上しやす。
意識をドッペルゲンガーの方に持っていかれては本体の方の意識はどうなるのか、でやんす。
ええ、そうなんでやんす。屍になりやんす。
RPGなんかでもよくありやしょう?
返事がない。ただの屍のようだ▼なんて。
ああいうふうになりやす。
ええ、ええ、嘘でやんす(笑)。
これは自分にも分かりやせんが、聞くトコによるとドッペルゲンガーの方にも意識はありつつ、本体の方にも意識はあると言うんでやんす。
なんというかぁ〜・・・意識を半々に分けて二体同時に行動してるって感じでやんすかね。
そこの所は申し訳ありやせんが、自分にも分からないのでございやす。
ただ聞いたのは本体は日常的に行動し、ドッペルゲンガーでの行動は夢だと思うらしいんでやんす。
もう、これ以上説明してもますます分からなくなるだけでやんすね。
まぁ、ドッペルゲンガーの説明はこれくらいにしておきやんしょ。
続いて、ダブル。
ダブルは意識ごとは抜けやせん。
ただ、もう一人の異質な感情もない人の形が現れるんでやんす。
その人の形には自分の意識はなく、動かそうにもその人には動かせやせん。
自分の意志とは別に動き、喋り、呼吸をする。
それがダブルなんでやんす。
ドッペルゲンガーより情報が少ないのと同時に随分と性質の悪いものと自分は聞きやした。
それを納得させるのがこれからお噺する噺なんでやんした。
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