【始末書】 銀魂

□第0訓 真面目にやると恥ずかしい事はさらけだせ
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バラガキ事件があったのが二ヶ月前、
攘夷浪士じゃねーかと尋問を受けたのが一ヶ月半前、
切り合ってたらキスされたのが一ヶ月前、
切り合ってたら押し倒された(未遂)のがおととい、
告白されたのが昨日、
返事をしたのは今日の昼。

「いやいや色々順番おかしいだろオオオ!!」
ベッドの上の着々と脱がされている白夜叉が吠えた。
「うるせー!こっちはなどんだけっ…ど、」
「あ!?」
「どんだけ長い間お前の事、アレだ、気にいってたと思ってんだよてめー」
「ふっフツーに…好きっていえば!?余計なんか恥ずかしいだろーが!…ちっ…もうお前がどんだけーだよ…」
ガラにも無く頭を抱えて赤くなる土方に銀時も釣られて真っ赤になってしまった。
ここはラブホテル。二人とも顔バレしないよう女装して入った。
「銀時、だから…」
下の名前で呼ばれるのはまだ恥ずかしい、ぎこちない。
「何だよ」
「やらせろ」
「お前なんでそこははっきり言えんだよ!!まだ池田さんちのよっちゃん(15)の方が上手く誘えるわ!…っておいっ」

頬に手を当てられ顔を近づけられる。
「…銀時」
「っいてーよ…」こつん、と触れ合った額と額にやりきれなくなって伏せた目をゆっくり開ける。
いつも鋭い瞳が初めてみるような熱を帯びていて銀時は背筋がゾクリとしたのを感じた。
そのまま口が軽く触れた。そして離れてお互いを確かめあうようなキス。
いったい誰がまさかあの鬼の副長と元伝説の攘夷浪士がこんな事になると予測できたであろうか。
坂田銀時には確かに人の集まる妙な魅力があり、それは出会った頃の攘夷浪士であればどんな輩であろうと殺す鋭い目を持った狂犬をすっかりと飼いならしてしまった。

「…好きだ、銀時」
「…テメーも、そんな顔できんだな……とうじろう」
「おい名前間違えんな、ムード返せ!!」
ここからはもう爆笑してしまいアレどころではなかった。

そして、この日は頑にこばんだ銀時の勝利で未遂と終わったが、朝目が覚めて横で無防備に寝ている土方を眺めながら過去を振り返った銀時はしみじみと「あ、俺こいつの事好きすぎるよ…やべーわ」と一人思い出してもだえていた。

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