零蒼竜と13班
□chapter:0-1
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「……此所は何処だ」
目覚めたら訳のわからない場所にいた。
とりあえずは状況を確認する。我が名はゼロ=ブルー。2020年のトウキョウなる都市のダイバなる場所に拠点を構え、そこを自らの住み処に相応しく氷で彩った帝竜。
………うぅん段々思い出して来たぞ、確かそこに13班とやらが現れて格下扱いされた挙げ句倒されるというこれ以上ない屈辱を受けたのだ!
あれ、倒された……?
倒されたのなら何故、何故に生きているのだ。
……まあ帝竜だしそんな不思議な事もあるだろう。そもそも帝竜がこんな仰向けで寝ていては示しが……
ザ・スカヴァーのような体ならともかく。
あの体型で仰向け、なんて難儀なこと出来る筈がないぞ……?
とにもかくにもぐずぐずしていては始まらない。私は仰向けの状態から体を起こし、上にかかっていた布をはねのけた。
「おい……いつもより視点がかなり低いぞ……」
これではニンゲン共も見下せない。それどころかむしろ見下される側になってしまったようだ。屈辱。
即ちこれは私の体が縮んだということを示している。そして見たところ冷気が充満していない為此所は恐らくダイバではない。襲撃されたらどうしようもない。そのまま再び死ぬだけだ。
このままではいけない。私はまず拠点のダイバがどうなっているかを確かめるべく歩き出した。
「………………………歩く?」
確かに歩くという概念はドラゴンにもあった。割と二足歩行なドラゴンもいた。しかし私、ゼロ=ブルーは四足歩行の類いではなかったか……?
二足歩行。その代表的な生物はこの地球ではニンゲン。まさかそんな筈はない。私は嫌な寒気を抑えつつも何か映すものはないかと辺りを探し回る。
偶然にも何かの機械の画面に(全体ではないが)私の姿がうっすらと映し出された。
それは紛れもなく、ニンゲンの子供の姿をしていた。