ある晴れた日に

□不撓不屈
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4月 桜が舞い散る季節

私は、ある男と出会ってしまった。






私ー早乙女 司 (さおとめ つかさ)
今日から女子高生!

司「行ってきます!」

母「行ってらっしゃい」

家から駅まで徒歩20分
そこから電車に乗り
学校までは30分

そんな学校を選んだのには
もちろん理由がある。

まず、制服が可愛い〜♡
白と黒のセーラー服
学年毎にリボンの色が違うのだ。

今年の1年生のリボンは赤!
やっぱりセーラー服って言ったら
リボンは赤だよね〜♡


そして次に学校の寮がある。
この寮には2年生からじゃないと
入居出来ないらしい。

しかも入居が許可されるのは
成績上位者のみ!

そのために頑張ったんだから勉強!

その寮から卒業することが出来た者には
大学には試験パスで行けるところが魅力♡

そして何より!

学食が美味しいって評判だから♡


司「今日から頑張るぞ〜!」


司は電車に乗り込むと、違和感を感じた。

司(満員電車って…やっぱりあるわけ?)

司の尻に何かが当たっている。

だが恐怖で声にもならない。

司の大きな瞳には涙が溢れる瞬間だった。

グイッ
「イテテテ!!!」

司「え?」

司の尻から違和感がなくなると同時に
高らかに手を縛り上げられた男がいた。


「君も次の駅で降りて」

司「は、はい!」

駅員室に行くと警察もやって来た。
男は痴漢の常習犯だった。

警官「ん、じゃあ君の名前は?」

英司「北条 英司です」

司「北条…英司…」

英司「何?」

司「あっ!ありがとうございます」

司はペコペコと何度も頭を下げた。

英司「…ああ別に」

司(何なの!この人!めっちゃイケメン!
身長も180くらいはありそう…)

英司「ああ、君の名前は?」

司「…早乙女…司…です」

英司「その制服さ
マリアージュの制服だよね?」

司「あっ!今日、入学式!」

英司「じゃあ、お巡りさん
後はお願いしますね」


英司は司の手を引き
走り出した。



司「はあ、はあ、はあ、もう
間に合うわけない」

英司「はあ、はあ、みたいだな。なら急ぐこともないんじゃね?」

2人は大きな桜の木に寄りかかった。


司「入学式から遅刻なんて、ペナルティがあ〜」

英司「小さくなれたら良かったのにな?そしたら俺がポケットに入れて全速力で走ってやったのに」

司「…意外にメルヘンなんですね」

英司「そお?」


その時ーものすごい突風が吹き
桜吹雪が2人を包み込んだ。



英司「うわっ!」

司「ひゃっ!」



ぐるぐると桜吹雪が
2人の周りをいつまでも廻っていた。


司「…うわぁ、桜の花弁だらけじゃんか」

司は服や頭についた桜を落とした。
そして、あることに気付いた。

司「あれ?北条英司がいない」

「…だ」「…い」

司「ん?」

司は目を凝らし桜の樹の下の花弁を
よーく見た。


本当によ〜く見た。




英司「どうなってる?俺!」

司「!」


そこには15cm程度になった
彼がぴょんぴょん飛び跳ねていた。

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