テイルズ オブ サーベリア

□Prologue
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ヒストリア
「はぁ…はぁ……どこ……出てきてよ……居るんでしょ…?…兄さん」














Tales of Sarberia
         愛と絆を探すRPG


――


私達には、十も離れた兄が居る…ううん、今は居たって言うべきかな。優しかった兄さんが……


――


数年前、私が騎士になって新米だった時だった。いつも通り…家に帰る…家族皆で…食事をするその当たり前の日常が…壊れた。魔女が現れたせいで………私達は…


???
「はっはっは。どうした、そうだ…もう1人妹が居るんだったな」


タクト
「…やめ…ろ…これ以上…家族…を」


ヒストリア
「ただい…

私の目に飛び込んで来た光景は…今でもはっきり覚えている。両親は死に…妹のシオンは怯え…兄さんは…魔女に軽々しく持ち上げられていた…


タクト
「だめ…だ…来ちゃ…逃げ…るんだ…。…ヒス…トリ」ドフ


タクト
「ぐふ…」


???
「ほぉ…そなたがヒストリアか」

スタスタ

ヒストリア
「いや…いやぁ…怖い……兄さん」


タクト
「てめぇ……妹に近付くなぁ


ブォ


???
「なんだ…?そのへなちょこパンチは…な」ドゴォ


タクト
「ガハッ


ヒストリア
「あぁ…やだ………兄さん…」フッ


パキン


???
「ぬ?」


ヒストリア
「許せない…兄さんを…シオンを…パパを…ママを…殺してやる」


???
「おぉ…この感じ。よいぞ、さらに怒りに身を任せろ。ふはは、フハハハハ!」

ヒュン


???



ズバァ


ヒストリア
「…まだだ……こんなものじゃ済まさない…」

シオン
「」ブルブル


タクト
「だめ…だ……内なる…闇のお前を…出したら…」


???
「ぐふ…良いぞ。そうだ、殺せ。わたしを楽しませろ、フフフ…」


ヒストリア
「あぁぁぁぁぁ


覚えてるのは…それだけ…私が正気に戻った頃には…魔女は死んでいた。
私は…自分が恐ろしくなり、家を飛び出した。それから…私と言うのをやめ、ボクと言うようになった。
兄さんが…破壊の衝動を起こす『デスタ』に触れていた事を知ったのも…ボクと言うようになった…一年前だった

――

シオンと共に別荘があったので共に暮らしていた。ボクの家は、騎士を輩出する名門家だった……今は…違うけど


ヒストリア
「シオン、ご飯出来たよ。ボクはこれから行かなきゃ行けないところがあるから、留守番…よろしくね?」

シオン
「えっ…?…いや…1人はいや…怖い…」


ヒストリア
「…わかった。寝るまで一緒に居るから」


シオン
「…うん」


いつしか…シオンは涙以外の感情を出さなくなった。笑う事もなく、怒ることもなく…ただ、涙を流すだけになっていた…


ヒストリア
「……ごめん…真意を確かめたい…兄さんが…どうしてデスタに触れたのかを…元気で…シオン、ごめんなさい」ポロポロ

パタン


――


ヒストリア
「はぁ…はぁ……どこ……出てきてよ……居るんでしょ…?…兄さん」


???
「来たか。ヒストリアよ」


ヒストリア
「あなたは


ボクが見たのは……死んだ筈の…魔女だった


???
「いやぁ……死んだ筈だったんだけどなぁ。」


ヒストリア
「貴様…」


???
「おっと。斬り刻まれるのはイヤだからね。同胞を連れてきたのさ、さぁ。来たまえ、我が同胞、タクトよ」


ヒストリア
「…兄さん…」


タクト
「よぉ。久しぶりだなぁ。ヒストリアぁ」


ヒストリア
「ひっ」


怖かった…あの優しかった兄さんが……狂気に満ちた目をして…


???
「ダメじゃないか。可愛い妹を脅かしたら」


タクト
「あぁ、そうだったなぁ!」

ブォ

ヒストリア
「くっ」ツー


ドゴォンパキパキ…ズズン


???
「ほぉ。避けたか」


タクト
「へぇ、やるな。妹ぉ


ヒストリア
「陰険…魔女がぁ」バキィ


タクト
「ぐは」


ヒストリア
「貴様…兄さんに何をしたぁ


ズッ


ヒストリア
「ぐぅ…」


???
「ダークレイザー。」


ゴォ

ヒストリア
「あぁ


何…?今の……はぐ………


???
「ごめんよ。ヒストリア。君の力の源のミリアム。抜いちゃったよ」


ヒストリア
「えっ…?」


そういえば…おかしい…力が…抜けてる…


???
「君の力、ミリアムは強力だからね。粉々に砕いてあげたよ。フフフ、大丈夫。根こそぎは奪ってないさぁ。あくまで、今現在の君のステータスは…レベルは。1だ」


ヒストリア



タクト
「おいローズ。暴れたくてしょうがねぇぜ。早くアミテルスに行かせてくれ」


ローズ
「まぁ待て。」
ローズ
「ヒストリア?おいで。君の物語が始まるよ……すまない…あのお方の命令だ。……私を怨んでるのはわかる……アミテルスにおいで…兄を追い掛けて、君だけの…強力なミリアムを手に入れるんだ…」


ヒストリア
「…?」

なに…?この人…悪い人じゃないの…?じゃあ…どうして?どうして兄さんを…

ヒストリア
「教えてよ…あなたが悪い人じゃないなら…」


ローズ
「…」


タクト
「おい。さっさと開けろよ…クズやろう」


ローズ
「すまない…今あける」


どうして…?どうしてあんなに震えてたの…?アミテルス……原色世界に…そうだ…バクサリードなら…


ローズ
「」たすけて…ヒストリア


ヒストリア
「あっ…ローズ…さん?」


最後の、あの口パクは…たすけて…だった…真意を確かめたい…兄さんを壊した張本人ローズさんの企みを…それなのに何で…震えてたのか…何で助けを求めたのか…知りたい。


――


とある霊山


ヒストリア
「バクサ。…おーい、バクサ〜…?」


バクサリード
「誰だ……んん?…ヒストリアか?弱くなってないか?」


ヒストリア
「力の源のミリアムを砕かれちゃったの」


バクサリード
「なんと…」


ヒストリア
「ねぇバクサ。力を貸して?」


バクサリード
「ふむ…やだ。眠い」


ヒストリア
「そんなぁバクサの意地悪


バクサリード
「はっはっは。プンプン怒るヒストリアは可愛いなぁ」


ヒストリア
「巨大な焼き鳥だよね。焼いて食べたいよ」


バクサリード
「焼き


ヒストリア
「ねぇバクサ…産まれた時から二人目のパパとしてボクを見守って来たんでしょ?可愛い娘の頼みくらい聞いてよー…」


バクサリード
「可愛いなぁ」


ヒストリア
「やっぱ良い。焼き鳥にしちゃお」


バクサリード
「のぉ火を起こすな


ヒストリア
「…なんて。今の私は魔神剣しか覚えてないからね。焼き鳥は…非常食に取っとく。…アミテルスに連れていって」


バクサリード
「…タクトを追うのかい?」

ヒストリア
「うん…って何で知ってるのか不思議だけど」


バクサリード
「ワレは霊鳥だからな」


ヒストリア
「怪鳥の間違いでしょ」


バクサリード
「ワレは霊鳥じゃいそこらの低能な怪鳥と一緒にするな


ヒストリア
「はいはい。」


バクサリード
「…なぁ。久しぶりに洗ってくれ。連れていってやる」


ヒストリア
「ボクに向かって交換条件とはね…わかったよ。じゃあちょっとだけ縮こまって、でかすぎて届かないから」


バクサリード
「ふむ」チマ


ヒストリア
「手のひらサイズになるなぁ


バクサリード
「難しいのだ…ヒストリアの身長に合わせるのは。ほれ、これでよいか」


ヒストリア
「便利な作りしてるなぁ…バクサの力って面白いよね。解剖したいなぁ」サワサワ


バクサリード
「やめれ。…おぅ…良いぞ…」


ヒストリア
「ふふ。相変わらず首元は弱いんだね」シャカシャカ


バクサリード
「おぅ………


ヒストリア
「あっ…寝ちゃった。…むぅ…」ムス


バクサリード…霊山に住む世界最大の霊鳥の長。ボクが産まれた時からずっと一緒。バクサは…二人目のパパみたいで大好き。…うん……大好き…本当…


――


バクサリード
「…寝てしまったか……む?」


ヒストリア
「すぅ……すぅ……」


バクサリード
「ふっ…今日はもう夜も深い…ゆっくり寝ろ。ヒストリア…安心しろ、連れていってやる」


ヒストリア
「……うーん……兄さん……」


バクサリード
「……」バサッ


ファサ


バクサリード
「お休み、ヒストリア」


――


翌日


ヒストリア
「…ん?…おぉ


バクサリード
「ん?どうした?」


ヒストリア
「はわわわわ…高いとこ苦手なのぉ…」


バクサリード
「ヒストリアが来たいと言ったんじゃないか。やれやれ…老体に鞭うって世界を繋げる結界を張るのは疲れたぞ」


ヒストリア
「わかったわかったからぁ降ろしてぇ」ジタバタ


バクサリード
「おぉ暴れるな







ヒストリア
「…はぁ〜…地面……怖かったぁ…」


バクサリード
「相変わらず高いとこは苦手なんだな」


ヒストリア
「バクサが無理やり連れ出すからでしょあの時からずっと高いとこは嫌いなのまだ五歳だった私を無理やり連れ出して…どれだけ怖かったか…」


バクサリード
「うぐ…」


ヒストリア
「一時期嫌いだったんだから。…もう…でも…ありがとう。旅の始まりだね」


バクサリード
「ふっ…結界は繋げたままだ」


ヒストリア
「えっ?どうして?」


バクサリード
「シオンが黙っちゃいないだろ。」


ヒストリア
「あっ…うん、そうだよね。…で?早く小さくなりなよ」


バクサリード
「お前…鬼畜だなぁ…結構疲れるんだぞ?ちょっとは休憩くらいさせてくれよぉ…」


ヒストリア
「はいはい。」


バクサリード
「…この先は…小さな漁村…プルーニーがあるな」


ヒストリア
「魚」キラキラ


バクサリード
「う…うむ」


ヒストリア
「魚♪」キラキラ


バクサリード
「やれやれ…ハシャギおって」


きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ

バクサリード
「ヒストリア


――


バクサリード
「ぬぉ魔物


ヒストリア
「バクサ小さくなりなさい


バクサリード
「了解」チマ


ヒストリア
「…ふぅ…挟撃とはね…柄にもなく驚いたわ。全く」

オタオタ×2


ヒストリア
「弱くなっちゃったけど…それでも負けないよ


ヒストリア
「魔神剣!」


私と…バクサの旅が始まった。
兄さん…絶対元に戻すから…
ローズさん…どうして助けを求めたのか、真意を突き止めてやるんだから。


ヒストリアの冒険が…幕を開けた。


Prologue…完
 

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