明治東亰恋伽

□こんな風になっていたら…
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藤田ルートで年末の時のやつ。
あの時、こんなだったらいいなというわたしの妄想。





「おかえりなさい!」

「ああ…」

市場で分かれて数時間。
そろそろ年が明ける頃、藤田さんは家に帰ってきた。

「…すまない。知らぬ娘だと言って」

私を後ろから抱きしめながら言った。

「いえ、いいんです。ああやって言うしかなかったんですから…。それに藤田さんが私をとても大切にしてくれていることはわかっています」

私がそう言うと藤田さんは淡く微笑む。

そうして談笑しながら縁側で2人で空を見上げた。

五郎さん、なんて呼んでみたり。

除夜の鐘の音とともに、はらりはらりと雪が降る。

「…五郎さん」

「なんだ」

鐘が鳴るのもあと2回。

「家族が増えたらどう思いますか?」

「なに…?」

藤田さんの顔が驚愕している。

ゴーンと最後の鐘が鳴った。

そして、新しい年が始まる。

「芽衣、今なんと…」

「年が開けましたよ!おめでとうございます五郎さん!それから…」

私は藤田さんの綺麗な瞳を見上げる。

その瞳はいつにも増して、とても慈愛に満ちていて。

藤田さんはそっと私を正面に向かせる。

優しく、優しく。


そして。


「ありがとう」

この言葉で今年最初の口付けを交わしたのだった。

生まれてくる我が子を思いながら。

お互いがお互いに感謝して。

今ある幸せに2人は目を瞑り浸っていた。

ーENDー

単なるSSS。の妄想です。
子どもが出来たっていう設定が書きたかっただけです笑

以下はオマケとして書いてみました。




数日後。

私が庭の掃き掃除をしていると。

「芽衣サン!!子どもが出来たって本当ですか!?」

「え!?なんで知ってるんですか?」

「妖邏課の方が噂していたのですよ!藤田警部補が父親になるって」


噂とは恐ろしいもので。
あっという間に広がってしまっていた。








……………こうして周囲に知れ渡っていたらおもしろいだろうなぁ……。

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