明治東亰恋伽

□あの人の裸体
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鴎外ルートEDのあのシーンがもしもこんなだったら…と。







森家のある朝。

「ねぇ、君はいいの?旦那が朝から裸で家をウロウロしてさ」

…いいわけがない。

「…いいと思いますか?」

聞き返すと春草さんは苦笑いする。

「私が何度やめてって言ってもあれなんです。もう、慣れたというか…」

こっちに残ると決めて、鴎外さんと結婚して。

幸せな毎日を過ごしているのだけれど…。

「ははは!朝の行水は実に気持ちがいい。どうだ、春草も一緒に」

「遠慮します」

間をいれずに春草さんが遠回しに拒絶している。


コンコン。

玄関をノックする音が聞こえて、来訪者を告げた。

「おや、お客のようだ。よし、僕が出てこよう」

「え?!鴎外さん!!服!服を…」

私が呼び止めるにも関わらず、鴎外さんは玄関へと向かった。

「…失礼する。最近この辺りに露出狂が出没すると通報を受けてる。何か情報があればーー」

ふ、藤田さんだ!

「なんと!露出狂だと。聞いたか春草。我が屋敷の周辺が物騒になっているとは」

「……………」

「鴎外さん…」

藤田さんは、サーベルを光らせて、春草さんは呆れきった顔をしている。

「おい」

「は、はいっ!」

藤田さんが奥にいた私に話しかけてきた。

「お前は大丈夫か。こんな男と結婚して」

「は、はい…?」

なんとも、曖昧な返事をしてしまったと自分でも思った。

まさか、藤田さんに心配されるとは…。

「何かあれば、妖邏課を訪ねろ」

「芽衣は僕の妻なのだ。何かあれば、僕に頼ればよい」

鴎外さんが私の右手を取りながら言った。

「ふん…。とりあえず露出狂は逮捕できそうだから、今日はこれで失礼する」

藤田さんはそう言って帰っていった。

ーーENDーー

すみません…
ただ、鴎外ルートでの露出狂ネタがあまりにも面白くて…

そして、藤田に心配されるというシーンを書きたかっただけです。

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