創作小説

□制限脳ーリミッターー
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いきなり何を言うんだこの人は。
「いきなり何言って…」
博士はしまった、という風に額に手を当てた。
「いや、まことに申し訳ない!これは癖なんだ!つい、結果論から口に出してしまうんだ」
博士は仕切り直すかのように、咳払いを1つ。
「順を追って説明しよう。まずは、ヘッドリミッターとは何か。ヘッドリミッターとは、人の能力をリミッター制限というものでいくつかに分割し、それを段階別に制御した装置を扱う者のことなんだ」
「…」
思考回路ショート寸前。
すると、ミカサが口を挟んできた。
「博士。直接見せた方が分かりやすいと思いますけど」
「おぉ、それはいいアイデアだ。科学知識はあるはずなのに、何故そのようなグッドアイデアが浮かばんのだ私は」
博士は賛成したあと、ぶつくさ何か言っていたが、突然立ち上がった。
「君、ついてきてくれ」
そう言うと、博士は本棚にあった青い本を一冊手に取った。
すると―――。

ガラガラガラ…

なんと、本棚が横にスライドした!
映画やアニメでしか見たことのないようなギミックに、目をしばたく。
先は暗く、部屋の明かりによって何とか段差らしきものが確認出来る。
どうやら、階段が続いているらしい。
「暗いから、足元に気を付けたまえ」
博士は暗闇の奥に消えていき、ミカサも後に続いた。
みかんも、少し遅れて2人を追いかけた。
何故なら、何か分かる気がするから。
その《何か》が何なのか、それさえも分からない。
しかし、これはみかんに秘められたある能力の開花の前兆であることを、みかんはまだ知らない。
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