yumesyo-setu

□2nd.ep./ そんな俺らは、
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《ジャッキー!》

ちょうど部屋を通りかかるジャッキーを呼び止める。



Ja《なんやマック》


M《次の依頼やねんけど、》


Ja《おう、依頼か、今回はどんなや?》


M「それがな、、謎やねん。」


Ja「なんやねん!!謎て!謎ってなんやねん!!お前がしっかr

M「はいはいはい!!!ジャッキー最後まで聞け!」


テーブルを軽く叩いて静止させる。


Ja「はよ言えやー」

M「何でそんなイライラしてんの、」


Ja「マックがはよ言わんからやろ!!」


M「はいはい、言う言う!!」


Ja「はよ言え!!」


…。
なんやねん。

M「 …依頼は、何か始末せえ、とか書かれてないねん。」


Ja「ほうか、で?」



M「んー、とにかく謎やねん」



Ja「はあ!!?」

落ち着いたかと思えばまたデカイ声。


M「とりあえず女をまず口説かなあかん」


Ja「何でまた、そこで女が出てくるんや?」



M「名前と写真がくっついて来てん、依頼書に。」


Ja「どれえ!?」


依頼書に付いてきた写真を覗きこむジャッキー。


Ja「この女は誰なん?」


依頼書には若そうに見える女の写真。


M「わからん」



サングラスをかけてハーレーによっかかかり煙草を吸ってる女の写真。
もちろん目線は全然違う方向を向いている。
てことは、隠し撮りだ。



Ja「ほお…また、なんか、あれやな。」


只者ではなさそう、と言いたいのはマックにもわかる。


M「あれて…依頼先はコイツの情報をほしがってる。…多分邪魔な奴やったら消せっちゅうことやな。」


Ja「ほうか、うーん、にしても、確かに謎やな。拒否出来ひんの?」


M「報酬が前払い。しかも結構な額や。…仕事によってはもっとくれるとも言ってる。 ま、まあ、ジョニーに行かせて様子を見るってとこやな。」


Ja「ソイツの出没場所分かるんか?」


M「…毎週金曜日、club the cartoon。」


Ja「まーた、やっかいやなあ、」

苦笑いでそう言うジャッキー。








“club the cartoon”













「…ッキー! ジャッキー!!!」



大声をあげて背の高い顔の整った男が部屋に乱入してくる。



Ja「うわっ、なんやねん!!ってジョニーやんけ。」



Jo「ご飯まだー?ってエースが。」



M「…噂をすればってやつやな、」



ジョニーの話をしていた2人は苦笑い。



Jo「何がなんマック?」



苦笑いされてる理由が分からずキョトンとするジョニー。



M「依頼や、依頼。」


Jo「俺―?」



M「おん…。…ただ…」



Jo「ただ?」


Ja「場所がなあ。なあ?」


M「おん。」

またもや苦笑いの2人。




Jo「なにい?!なんなん、気になるからはよ教えて!!」



M「club the cartoon。」




Jo「うわあ。」


場所を聞くとあからさまに顔が曇る。


Ja「ほら、な?嫌やろ?」


少し笑って聞くジャッキー。



Jo「…どんな依頼なん?」




M「とにかく1人の女からな情報引っ張ってこい。」


Jo「…まあわかった、頑張る」



Ja「まあ、ジョニーなら大丈夫やろ!!頑張りや!!」



物分りの良すぎるジョニーに、当事者でもないのに、どっからそんな自信が湧いてくるんだジャッキー。




M「ジャッキー、そんな簡単には行かんと思うで。」



Jo「俺の頑張りどころやろ。とりあえず、マック向こう連絡しといて。」



M「お、おん。頑張ってくれ。」



Ja「ま、うちの色男なら大丈夫やろ。」



M「心配なんは、そこじゃないけどな、」


「おい!!まだあー?飯!!腹減った!!!」


Jo「あ。」

思わず顔を見合わせ笑う三人。



空腹でご立腹な様子で部屋に乱入してきた黒髪の痩せ型な男。



Jo「エースごめん、忘れてた、完璧。」

Ac「なんでやねん!!」


ごめんごめん、と笑って、そこで初めて依頼書に目を落とすジョニー。



Jo「うっわっ。ハーレーやんっ!!うっわっ!!むっちゃかっこええ!!」


Ja「ハーレーに食いつきよった、」



Ac「何でもいいからはよしてーや!!」

とりあえずお腹が空いたとうるさいエース。


Ja「あーもう!!、うっさいなあ!!わかったから、大人しく待っとれ!!」


そう言ってエースを先に追い出しジャッキーは部屋を出ていった。




静かになった部屋の中、依頼書から目を上げるジョニー。




Jo「…何聞き出せばええん?」


M「うーん、分からん」


Jo「は?」


M「なんかしらの情報を持ってるのは確かやねん。」



やはり、曖昧。




Jo「ふーん、若そうに見えるのにハーレー乗って煙草吸って。大変そうやなあ、いろいろと。一筋縄ではいかなさそうやね。」




M「ま、後は任せた。」



Jo「はいよー、ジョニー頑張ります。」


M「なんやねん、気持ち悪い。」


Jo「酷いなーマック。」



心なしか、ジョニーはハーレーから目が離せないような素振りは見なかったことにしよう。


M「気いつけや?」



Jo「誰に?club the cartoonに?」

そう笑って言い残し、後ろ手に手を振って部屋を出ていくジョニー。



かっこいいー。



M「おちゃらけやがって。」


ふっ、と笑ってため息一つ。



ま、確かに気を付けるのは、人物よりも場所か。



煙草を一本咥え火をつける。

何をみんなでそんな嫌がっているのか。



M「めんどくさいわあ。」


煙をため息と同時に吐き出す。

携帯を手に取り、ある場所へと電話を掛ける。



…5コール目



でえへんやん…

この時間は寝てるか…




6コール目。


さすがにイラつき切ろうと耳から外そうとした瞬間



(うっわ、おい!!おめーら!珍しいとこから電話かかってきたぞ!!)




うわ、出よった。



そう思いながら携帯を耳に当て直す。



あーもう、めんどいわ


M「明日、金曜日、ジョニーが依頼関係でそっちの店行くから。ほな。」




さっさと切ろうと耳から外す。




(待て待て待て!!!)


耳から遠ざけても聞こえる止める声。


なんやねんな。はあ。




M「なにい?」



(なにい?じゃなくて、、あ、、ちょっおまっ、、マックくーん!久々なんだからさあ、もっと電話楽しもうとかないのー?)



電話の向こうで人が替わった。


ほんま騒がしい奴らやな。

M「ない。めんどくさい。忙しい。切るぞ。」



(うわっちょっと!!、、マック君久しぶりだね!!)




また替わった、もう。
しかし、こいつは話が分かる奴や。



M「だから、明日ジョニーがそっち行くから。依頼関係で。変なチャチャいらんから。」




(はいはい、わかってるって。お酒のサービスは良くしとくねっ)


人懐っこく言う電話の向こうの人間は、ジョニーと同じような役割をしている。



ていうか、俺がこんな簡単に依頼と口走るんだから、普通の奴なわけない。


M「ま、邪魔だけはせんといてや。」



(おっけー。ジョーカーにもきつく言っとくねー)



ぷつっ
と切れた電話。


潔いなまったく。
容赦ないというか、あれが本性というか。

仕事にもその性格というか考え方というかが出てると思う。



俺らよりも残酷な同業者。







“KAT-TUN”











M「恐ろしいわあ」



ふと、昔の依頼を思い出して身震い。



普段はあんななんに。



さ、俺も飯。


依頼書を置いて部屋を出る。



俺らは









“8UPPERS”





















そんな俺らは始末屋。












3rd.ep./ ジョニーって呼んで!
 

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