はい作者です。

何故か突然描きたくなってしまったので勢いに任せてこんなモノを描き激しく後悔しております。



何か想像していたのと違う‥

和服な閃一さんもすげー萌えると思ったんだけどなー



そしてまさかの長髪(笑)

いや、モデルがモデルだしさぁ。



短髪至上主義としてはまぁいかんともし難いが其処は閃一さんなので許そうと思う(何を偉そうに)

とはいえ流石に髪を下ろした閃一さんは描けないので終始結ったままですよ。例え夜の営みの最中でも←




敵に髪を切られるとかなら逆に萌えるがな!!


でもクールビューティーな美里さんが思っていた以上にドツボに嵌ったのでプラマイゼロかな。


うん。

いつもより色気が三割増しとなっている様に思えるのは気のせいだろうか(ただし当社比)




そんな色っぽくて毒のある女な美里さんも堪らん!!ハァハァ


クール×クールも大好物ですから、私。

てな訳で。




相変わらず序章のみの先行公開になりますが気に成る方のみどうぞ閲覧しちゃって下さい。



あと時間が出来次第前半にグロ描写を載せるかもしれないので苦手な方はご注意を。









―――――




其れはとある新月の日に起こった。








男「何者だ?!」
閃一「‥‥………」


ジャリッ


静寂に包まれた闇夜で砂を擦る音だけがハッキリと聞こえた。




だが、相手は何も答えない。

其れを不審に思った幕府高官が眉を顰(しか)め



高官「もう一度問う。お主は何者だ??名を名乗られよ!!」


と、問うも



閃一「これから死に行く者に名乗る必要など無い」


あっさりと一蹴されてしまう始末。

其れでも、最近京の都を暗躍する恐ろしい人斬りの名を耳にした事がある幕府高官は震えた声色で言ったのだ。




高官「もしや…貴様が『人斬り無形斎』か?!」
閃一「‥‥………」


しかし男は何も答えない。



其れどころか―――





閃一「貴様の命、俺が貰い受けよう」
高官「なっ―――」




是か非か、答えるよりも先に黒衣の男が目にも留まらぬ速さで幕府高官を斬り付けたのだ。





ザクッ!!




高官「ッ、あ!!」



悲鳴すら上げられない程の刹那。

寸分違わず正確に喉元を刀身が貫き、直ぐ様引き抜かれる。



其れと同時にブシュウゥウウッ、と派手に血飛沫が宙を舞い

足元が鮮やかな赤一面に染まっていった。







役人1「ッ、大老!!しっかりして下さい!!」
役人2「クソ!!何て事だ、すっかり油断していた……」


慌てて役人が駆け寄るも、幕府高官は急所を貫かれ既に絶命していた。



其の信じ難い現実に戸惑いながらも、役人達は震える腕で刀を握り締め



役人1「おのれ‥良くもやってくれたな?!大老の仇、覚悟せよ!!」

とのたまうも



閃一「邪魔立てするなら容赦はしない」
役人達「!!!!!」


彼らが動くより速く

黒衣の男が駆け出し、すれ違い様に役人達を斬り付けていったのだ。



ブシュウゥウウッ


ヒュッ、と空を斬る小さな音と共にまたもや真っ赤な血飛沫が喉元から派手に散る。





仲間1「す、すげぇ……」


其れはさながら血の雨の様で。


暗殺を生業とし、幾ら闇夜に目が慣れているといっても此処まで動作に狂いが無くしかも恐ろしく素早い男は今まで一人も居なかった。




まさに神業。

そう言っても過言では無い其の暗殺術を見せ付けられ、其の場に居た誰もが絶句せざるを得なかったのだが―――






仲間2「コレで全員、か??」
閃一「其の様だな」
仲間1「はぁ。コレで一先ずは安心だな。さぁ、とっととずらかろうぜ」




油断、していた。



仲間3「へへっ、隙有りぃっ!!」
閃一「!!!!!」




一瞬だった。

本来ならば仲間であり、決して刀を向ける筈の無い相手。



其れが突然自身に向かって斬り掛かって来たのだ。

手柄を独り占めする為に。







※不覚にも気を取られ、負傷してしまった閃一さん






閃一「ぐっ……!!」


ズバッ

反応が遅れて左肩から血液が勢い良く噴き出す。




相手は大して強くも無い、雑兵の様な男だというに。

しかし、だからこそ男は相手の気配に気付けず反撃が遅れてしまい。





閃一「チッ!!」
仲間3「ぐぉっ?!」


其れでも

常人ならば肩から胸下まで一気に斬り落とされているであろう所を、何とか持ち前の反射神経を生かして深手になる前に裏切り者を問答無用で一刀両断にしてやれば。




シパァアアアッ、と真っ二つになった男の身体の割れ目から大量の血液が噴き出して。

瞬時に辺り一帯が血の海と化してしまったのだ。





其れを目の前で見せ付けられた他の仲間達は



仲間1「っ、ひぃいいいいいい」
仲間2「俺達は違うんだ、殺さないでくれえええええぇええ」


などと喚き、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い姿を瞬く間に消してしまった。





所詮は彼らも男同様、幕府高官を暗殺する為に集められた捨て駒の寄せ集めでしか無い。

追いかけて斬り殺す価値も無いだろう。




そう判断した彼が地面に膝を付き、肩から流れ出る血液を手で抑えた瞬間だった。








※だが不意に人の気配を感じ…




閃一「‥‥…??」



気のせいか

カラン、コロンと闇夜に鳴り響く下駄の音。



其の音と共にふわりと鼻を掠める、菊花(きっか)の匂い。





こんな夜更けに一体誰が??

当たり前の疑問が男を襲う。





だが




※気怠そうに顔を上げるも




あぁ、此の香りはきっと女が身に付ける香の匂いだろう。


そう思って彼は面倒臭そうに顔を上げた。





口封じに殺さねばなるまい。

余り気は進まないが、目撃者は女子供だろうと斬り捨てるのみ。




其れが彼の信念であり、此の動乱を生き延びる術でもあったのだが。





※思わずハッとさせられる




しかし目の前の相手を見た瞬間。


そんな物騒な考えは一瞬にして粉々に打ち砕かれてしまったのだ。




※其処に居たのは…




美里「………‥‥」


真っ暗な新月の夜に現れた一人の女。


黒い柄の、まるで鮮血を連想させる様な真っ赤な傘を背負う其の姿は妖しい程美しく。

一目で閃一は女の虜となってしまったのだ。





そうして、目の前の見目麗しいけれど表情一つ変えない女に見惚れて動けずに居ると―――




※殺人現場に居合わせても平静さを失わない美里




美里「殺しますか??」
閃一「‥‥…!!」



女は蚊も殺さぬ様なか細い声で、しかしハッキリと言ったのだ。





※色っぽい其の唇から漏れたのは…





美里「私を口封じに殺しますか??其れとも‥殺さぬ代わりに介抱を望みますか??」

と。



其の、凄惨な現場を前に気を失う所か人斬りである自分に駆け引きを持ちかける女の強かさに彼は一発で堕ちたのだ。




もう二度と

人を愛すまいと心に誓った筈なのに




こんなにもいとも容易く

身も心も、全て奪われてしまうなんて。



そんな事を内心で思っていると―――






※其の場にしゃがみこみ、閃一を気遣う女




美里「さぁ、どうなさいますか??お侍さん」
閃一「―――…‥‥」



彼女は男の心中などお構い無しに男からの返答を求め、促した。




だが、直ぐに答える事など生憎男には出来そうに無い。




彼女を殺すという選択肢は微塵も無かったけれど。



自身の安全所か命さえも脅かしかねない、其の危険な賭けにすんなりと乗れる程愚かでは無いから。






閃一「君は、酔狂な女だな」


としか、答える事が出来そうに無かった。





すると

何を思ったか女はゆっくりと其の場にしゃがみ込み。




そして―――





※頬に触れられ、つい見惚れてしまう





美里「そうかもしれませんね」
閃一「!!」


何を思ったか

男の頬に手を差し伸べ、さわりと一撫でしてみせたのだ。





ひやり。

やけに冷たい、けれど女特有の柔らかな手の平の感触に男が僅かに動揺する。



だが、女はニコリと笑いもせずに淡々とした口調で述べたのだ。





※重なる唇



美里「…‥温かい」
「例え血も涙も無い人斬りといえど、やはり同じく血の通った人間なのですね」
「正直、安心しました」



と。


そして、ゆっくりと彼の唇に己の唇を近づけ



美里「宜しければ確かめさせて下さい。貴方が本当に私達と同じ、唯の人間なのかどうかを」

優しく重ね、口付けるのだった―――


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