ドジな閻魔様
□僕だけを
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『ねぇ閻魔様、僕の事すき?』
これで
『ぼくはすきだよ』
何度目だろうか、白澤くんに【僕の事好き】と聞かれるのは
『閻魔様』
二回問い掛け返事がかえってこないだけで、白澤くんは怒りそうになる。
今はまだましかな…
数日前なんか、鬼灯くんが触れた所をザックリ刃物で切られて…
その時は怖くて逃げだそうとしたけど。
捕まっちゃってひどい目にあった。
『今度は無いからね閻魔様』
耳元でそう呟く
顔を上げると、今の言葉は全部嘘なんじゃないかってぐらい白澤くんは笑ってた
満面の笑みで
大切な物をみるかのような真っ黒な瞳で。
その時、ワシは…もう白澤くんからは逃げられない
そう思ったんだ。
『……き』
『?』
逃げられないなら…
『白澤くん、ワシを好きになってくれてありがとう』
白澤くんの思うままに沈んでいくね。