08/20の日記

22:17
【MHA】トゥワイスの妹
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「今のは誰だ」

「あいつか?俺の妹だ」
「妹が二人いるのか。昨日の奴と違う」
「いや同じだ。違うぞ!ああいう個性だ」
「お前と同じ「二倍」か」
「二倍どころじゃない。あれは「クローン」だ。俺より厄介な個性だぜ。オリジナルは十年前に死んでいる」

「どういう事だ」
「そのままの意味だ。あれは個性つーかただの残りカスだ」

昔を懐かしむように目を細めたトゥワイスは悲しげに肩を落とした。単に個性が細分化してるだけじゃないのかと思ったが荼毘は何も言わずに話の続きを促した。

「妹に「どうして自分と喧嘩できるのか」と言われた事がある。俺はひとりひとり意思疎通を図らなければならないが、あいつら自律神経並みに通じ合ってた。そこが俺達兄妹の違う所!あいつが死んだ時なんて言ったと思う?「死の感覚が分かった」だとよ。だから死んだけど死んでねえんだなきっと。死んでるけど」
「分身自体は消えないのか。何体いるか把握してるのか」
「さあな。前に聞いた時は100人超えたとか言ってたぜ。少子化問題とかこいつで解決出来そうだな。カウントされねえつーの」
「個性が暴走してんな」
「おっと「なぜ放っとくのか」とか言うなよ。殺したくねえもん。妹はみんなかわいいんだ。めんどくせえ、なんとかするか。そうだ。いっそのこと仲間にしてみようか!!」
「正気かよ」
「大マジだぜ。うーむ。100人と話すのって結構骨折れると思うが」
「さっき死の意識を共有したと言っただろ。1人説得すれば100人ついてくる」
「あ!そうか!そうだよな!たくさんの妹見てきたから忘れてたわ。ちょっと待て。連合入れちゃう?入れちゃうか?どの子にする?」
「おい待て入れるのはもう少し考えろ」
「おーい!俺の妹だと思うやつちょっと集合ー!!」
「やめてよ。大声出して」

呼べば大体近くに居る。
反対側の通りで歩きスマホをしていた別個体の少女が早足でこちらまで駆け寄ってきた。これほど厄介な存在を黙認していたトゥワイスにジトリと批判の目を向ける。

「久しぶりだなあ。お前の葬式で会った?」
「その基準でなら初めましてだけど」
「まじかよ。お前いつ生まれだ」
「昨日」
「生まれたてじゃねえか。生後一日目かよ!」
「それはともかくどうしたの」

仲良し兄妹とは言いがたい。
連合に誘うにも不確定要素が多すぎて問題がありすぎる。睨みを効かせる荼毘のこわもて人相にすんなりと目線を合わせた。どうやら多少の度胸はあるようだ。

「俺はこいつの仕事仲間だ。お前ら兄妹の家族問題なんて知った事じゃあないが、お前の兄貴がどうしてもと言うからなイキナリで悪いが「結構ヤバイ仕事」に手を貸せるか?」
「あのアタシ、未成年なので」
「やばくないやばくない真っ黒だバレなきゃいいんだから。じゃああれだ一緒に暮らそう」
「面倒見切れないってこんなに無理だよ気にしてないから」
「正確に何人いるんだ」
「今は97人」
「おー減ったな。多いわ。何があった?」
「色々あって人間不死身じゃないんだよ」
「昨日生まれたとか言ってたがなんか条件でもあるのか」
「やめてください。プライバシーの侵害ですよ」
「ゲロ吐いたら生まれるんだよな」
「ううううなんで言うの馬鹿!!!」
「ピッコロみたいなもんか」
「ナメック星人は卵生ですぅ…」

特に意味のない反論をした妹は顔を覆った。

「こうするか1人だけ認知してやれ。それをオリジナルにするんだ」

兄妹2人はキョトンとした顔をした。仕草が似てるのはこの際どうでも良い。

「特定の個体が1人。そいつだけ新たな戸籍を作ってやる。あとは残りカスだ。どうだ?」
「おおおおおおッ復活したみたいで楽しいな!良かねえわ」

「じゃあ私」
「理由は?」
「目の前にいたから私」
「他は納得するのか」
「私しかいないのよ。私は私」
「そんなもんか。多少揉めてくれないとこれはこれでつまらないな」
「妹の座をかけて大乱闘か?いやいやいやいやいやそれは時間がかかるからやめた方がいい。じゃあやってみるかァ?まじやめろ!」

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