桜先輩に
□身体が勝手に
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昨日は寝られなかった。
なんだか気持ちが落ち着かない、どうしようもなく、またあの人の笑顔が見たいと思った。
「はよー林田」
「あぁ、はよー」
「…………どした?いつもより元気ないけど」
「あー、うん、まぁ、うん…」
今日の俺はこんな調子で、他にも複数に心配された。
いやはやそんなことよりも。
俺の脳内はあの緑色の彼女でいっぱいで、どうしたらまた会えるか考えて悶々としていた……最中に、沢田が俺の目の前を通過した。
と、同じくらいのタイミングで、俺は沢田に手を伸ばしていて、沢田の腕を掴んだ。
身体が勝手に動いた、とはまさにこの事だろう。
俺は沢田の腕を掴んだ後で、
そうか、沢田なら……
なんて思った。
案の定、沢田はなんだこいつ、みたいな顔をして、かつ、少しビビっていた。