井浦くんと
□恋愛対象
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「井浦ー、昼どーする?」
「ん?今日は生徒会室で!」
「………は?」
なんで生徒会室?
───────
「いよーっす!」
井浦が勢いよくドアを開ける。
そこから見えた景色は、
すげぇカラフル。
あ、頭がね。
あとソファとかある。
前の学校の生徒会室にはこんなもんなかったのに。
「ねえねえ、」
「………え、なに」
ふと隣から声がしたかと思えば、ピンクのツインテさんがかわいい顔でこちらの顔を覗く。
「きみが高遠くんだよね!」
「まぁ、」
「やばい。やなぎんはかっこいいけど、高遠もかっこいいね!」
………やなぎん?
「そういえば今日柳くんは?」
と、堀さん。
「まだ来てないってー」
と、トオル。
「そっかぁ、」
あ、堀さんしょんぼりした。宮村くんいんのに。
どゆこと?
柳くんは堀さんの公認浮気相手とか??
かと思ったけど、赤髪の丸い頭の人もにたような顔してるから多分違う。
「高遠くん、レミは綾崎レミだよ。覚えてね!」
と、ピンクのツインテさん。
「………はあ、」
一応、返事はしておいたが正直覚えれる自信はないな。
まあでも、寄ってくる腐れビッチみたくキモくないし、誰から見てもかわいんだろうなこの子。
そう考えると顔は覚えれそうだな。頭ピンクで目立つし。
「お、俺は仙石翔だ」
と、何故か緊張気味な赤髪の人。
「仙石くんはね、生徒会長で、レミの彼氏なんだよっ」
と、ピンクの綾崎さんは赤髪の仙石くんとやらにぎゅっと引っ付いた。
あ、これ覚えやすいな。髪の色とリンクして名前覚えんの。
「あ、そーなんすか」
「あ、こっちは桜ね!」
と、今まで黙ってた眼鏡の井浦色(と言ったら可哀想かもしれんが)の頭の子を引っ張って、腕を絡ませる。
「河野桜よ、よろしく」
あ、この子かわいい。大人しいから好きだわ。
「よろしくです」
俺はすんげぇ笑顔で言葉を返した。
……………………。
あれ?
なんでみんなこっち見て黙ってんの?そんな驚いてんの??
「え、俺変な事言った?」
「レミ達にはそんなに笑顔じゃなかったのに、」
「え、ユキちゃんにはちゃんと笑ったよ?」
なんて言うと、ユキちゃんは肩をビクッと震わせた。
「……あれ、やっぱ俺嫌われちゃってる?」
「い、いや、そーゆうわけじゃないんだけどねっ」
ユキちゃんが両手をぶんぶん振って必死に否定する。
あ、かわいい。
すると又もやピンクの綾崎さん。
「ねぇー、高遠くんは、ユキちゃんのこと好きなの?」
「え、まぁ」
「そーなの!?ユキちゃんいいなぁ」
「…………あれ?」
何かこの反応違う。
「どうしたの?」
「俺別にユキちゃんのことは恋愛対象じゃないよ?」
…………え?
と皆は又もや絶句。
「どっちかってゆーと俺の好みは河野さん派」
「え?!」
そーなのそーなの!?」
「うん」
「そーなの!」
河野さんはびっくりした声をあげ、綾崎さんは嬉しそうに俺に聴いて、嬉しそうに納得した。
ユキちゃんもほっと一息ついた。
緑は珍しく喋っていないなって思ってたら音楽シャカシャカ聴いてやがった。
ちょっとむっかつく。
恋愛対象
(トオルー、そいやぁユキちゃんのよそよそしさなくなった気がする)
(そーかー)
(でも今度は……)
(あ、河野さんね…)