井浦くんと

□井浦くんと転校生
1ページ/1ページ

「あ、こっちこっち」

「……はあ、」


先生の後ろをついて、のそのそと歩いていく。

本鈴であろうチャイムが鳴り、その後でひとつの教室に入った。

俺はどうしていいかわからず、教室の手前で立ち止まる。

「席つけー………おい、入ってこい」

「……あ、はい」


ゆっくりと足を進めると、ひそひそとクラスの人等が騒ぎだす。

それに嫌気をさしながら、顔を伏せる。



「え!すっげえイケメン!!」


俺が入ってきた方から大声が聞こえるもんだから、思わず肩を震わせ、その声の方を見る。


「…………」

「おい井浦、遅刻だぞ」

「ごっめーんちょ」


「…………」


「例の転校生?あ、俺は井浦秀だよ!よろしくね!」






「…………うるせ」


「え、」


やっと出てきた言葉は罵倒だった。





井浦くんと転校生

(君は?)
(…高遠涼)
(名前までかっこいいとか!)
(………だからうるせぇ、)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ