井浦くんと
□井浦くんと転校生
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「あ、こっちこっち」
「……はあ、」
先生の後ろをついて、のそのそと歩いていく。
本鈴であろうチャイムが鳴り、その後でひとつの教室に入った。
俺はどうしていいかわからず、教室の手前で立ち止まる。
「席つけー………おい、入ってこい」
「……あ、はい」
ゆっくりと足を進めると、ひそひそとクラスの人等が騒ぎだす。
それに嫌気をさしながら、顔を伏せる。
「え!すっげえイケメン!!」
俺が入ってきた方から大声が聞こえるもんだから、思わず肩を震わせ、その声の方を見る。
「…………」
「おい井浦、遅刻だぞ」
「ごっめーんちょ」
「…………」
「例の転校生?あ、俺は井浦秀だよ!よろしくね!」
「…………うるせ」
「え、」
やっと出てきた言葉は罵倒だった。
井浦くんと転校生
(君は?)
(…高遠涼)
(名前までかっこいいとか!)
(………だからうるせぇ、)