リヴァイ兵長は選べない人
□リヴァイ兵長は選べない人 3話
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シャワー室で一通り身体を洗い終えたナイルは、
蛇口を捻ってシャワーを止めようとした。
その時入り口がガチャリと開いて、リヴァイがつかつかと入ってきた。
シャワーヘッドを再び握ってリヴァイに浴びせた。
「ほら、腹汚れてんだからしっかりと洗え」
シャワーを浴びせられながら、リヴァイは石鹸を手に取ると、
それを手で泡立てて、腹部をゴシゴシと洗い始めた。
この後の事を考えると、リヴァイの髪が濡れたら色々厄介だろうと思い、
髪の毛にお湯がかからないように、ナイルはリヴァイの身体にシャワーを当てていた。
「結局、お前とどうするか話をしていない」
胸元から腹部を泡立てながらナイルを見つめてリヴァイは言った。
どうするも何もきっと何も変わらない、ナイルはそう思った。
「俺かお前、どちらかが今日で関係は終わりだと言えば終わる仲、違うか?」
リヴァイの身体を流しながら、ナイルは答えた。
例え、自分が欲しても決して自分の物にはならないのを理解しているからだ。
リヴァイは口を真っ直ぐに閉じて、何かを考え込むようにしている。
「例えばだ、俺がお前を好きだと言っても、お前は俺の物にはならないだろう?」
リヴァイを後ろ向きにさせて背中にシャワーを浴びせながらナイルは続けた。
「だから俺との事は深く考える必要はねーんだよ」
「…ナイル、お前思ったより大人なんだな」
「思ったよりって何だ、お前よりは大人に出来てるつもりだ、ほら壁に手をつけ」
そう言うとナイルは一旦蛇口を捻ってシャワーを止めた。
言われるがまま、リヴァイは壁に手を付いた。