―被虐―

□―被虐―
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初めて身体を重ねたのはエレンの自室である地下室。
二度目はこないだの嫉妬から発作的に抱いた時。
エレンはその時の事を思い巡らし、ベッドに横たわり天井を見上げていた。
あの時のリヴァイの言葉が胸に響く。
自分は少しは特別に見られてると自信を持って良いのだろうか?

リヴァイからキスをされた時の事を思い出す。
荒々しく噛み付くように、腔内を蹂躙されて呼吸もままならなかった。
頭の中は痺れてとろけてしまいそうな、甘い大人のキスだった。

―もう、あの人を誰にも触らせたくない……

その気持ちがより一層強くなる。
でも相手はよりにもよってエルヴィン団長だ。

「そんなの勝てる訳無いじゃないか…」

もどかしい気持ちのまま、暫くは考え込んでいたが、
実験の疲れもあって気が付くと眠りに落ちていた。




「もう来ないかと思ったよ、リヴァイ」

夕食後エルヴィンに呼ばれ、リヴァイはエルヴィンの自室に来ていた。
ソファーに腰掛けるとエルヴィンが隣に座ってきた。
テーブルの上のワインをグラスに注ぐ。
一つはリヴァイの前に、もう一つは手にしてエルヴィンはグラスを揺らした。

「明日の休暇、お前の予定は?」
「…掃除、いやガキのお守りか、どうだろうな……」



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