その後の3Zのその後

□符節を合するがごとく
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坂田家を後にして新八たちはブラブラと街を歩き始めた。
「なんだかんだで幸せそうだったな」
九兵衛がほがらかに言う。
「いいアルナ〜私も赤ちゃん欲しいアル」
神楽が羨ましげにため息をついた。
「あら、作ればいいじゃない。沖田さんと」
妙が言うと神楽は苦虫を噛み潰したような表情をした。
「いや、なんでそんな顔になるの?」
「アイツが父親になるとか想像できるアルカ?」
神楽が問うとちょっと思案してから皆が同時に答えた。
「「できない。まったく」」
「そーダロ!」
「神楽ちゃんも母親って感じしないしな。なんつーの?二人に子供ができても子供が子供産んだみたいに見え-」
長谷川が言い終わる前に神楽が裏拳を彼の顔にお見舞いした。
「マダオにはいわれたくないネ」
「ま…まぁ、実際にできればまた変わるかもしれないしね」
新八が鼻血を流して倒れる長谷川を横目に取り繕った。
「でも神楽ちゃんは子作りの相手がいるからいいじゃない。私たちなんか相手探しから始めなくちゃいけないのよ。ねぇ?九ちゃん?」
「えっ?あ、あぁ」
妙のふいの問いに九兵衛が曖昧に相づちを打つと、東城が勢いよく話に割り込んできた。
「いけませんよ、若!×××目的で男探しなど!子作りなら私が協ー」
「黙れ!変態」
東城に女性陣と新八の蹴りが入った。その時、新八と長谷川の携帯電話が鳴った。
「もしもし…タカチン?えっ!?お通ちゃんが撮影でかぶき町に?」
「えっ採用ですか?はいはい!今から?もちろん、大丈夫です!」
電話を切ると二人は女性陣に申し訳なさそうな顔を向ける。
「すいません、お通ちゃんが近くで撮影をしているらしくって…」
「この間面接した会社から今から来て欲しいっていわれてさ…」
それに対し神楽たちもだいたい察しがついていた。
「まったくお前らはこんな美女三人よりそんな用事を優先するからモテないアルヨ」
「まぁまぁ神楽ちゃん。今日は女だけで楽しみましょう。でもこの埋め合わせはしてもらいますからね」
新八と長谷川は妙の言う「埋め合わせ」が普通の意味と違うだろうとは思ったが、とりあえず「もちろん」と答え急いで駆け去った。
「若!私はお供し―」
「大丈夫だ。来なくていい」
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