その後の3Zのその後

□結婚式の二次会は別名を婚カツパーチィと呼ぶ
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「はめられたアアアア」
新八はかぶき町の中心で頭を抱え叫んだ。

実は銀八、辰馬に結婚式の二次会の幹事を頼まれた。もちろんそんな面倒くさいことをこの男がやるわけがない、つうか一番向いてない。即決で断ったが、辰馬はしつこかった。
「わしゃ、お前(おまん)くらいしか幹事頼める友達おらんちゃ〜。頼む金時!」
「オイイイ、大事なダチだと思ってんなら名前ちゃんと覚えろやァァ!俺はお前の友達になった覚えないけどね!だいたい―」
「仕方ないのォ、そんなら金時、他に幹事してくれそうな奴を探してくんろォ。見つからんかったら、お前(おまん)にやってもらうきに」
「人の話を聞けエエエ」
と、まぁこんなやり取りがあり、銀八が一番に思いついたのが新八だったというわけである。

「おりょうの友達とかさ、二次会で新たな出逢いがあるかもしれないだろ?お前幹事とか向いてると思うよ、うん。幹事やってるぱっつあんの姿はきっと女の子も惹きつけられるって。俺が保証するから」
と、まぁ銀八はこんな具合にまくし立て、新八の反論に聞く耳を持たない。こうなると絶対に折れない頑固者であるとよく知っている新八は渋々引き受けることにしたのだった。
所変わってここは銀魂高校にほど近いファミレス。
「でも、銀八先生より新八くんがやってくれた方が、俺も含めて皆安心して任せられると思うけど」
新八に呼び出され事の詳細を聞いた山崎退が苦笑ぎみにそう言った。原作同様、地味キャラと揶揄され雑用係的な境遇の二人は、共鳴する何かがあるようでこうして時々愚痴りあう。
「まぁ、銀さん(あのひと)に任せたら悲惨なことになると僕も思いますよ…。ただ、坂本先生に確認したら二次会にくるの銀魂高校教師陣と3Zの面子がほとんどらしくて。おりょうさんの職場関係の友達との新たな出逢いなんて期待できそうにないんですよねェ」
山崎は期待してたのかよ、と思ったがとりあえずそれは口にしなかった。
「でも久しぶりに会う旧友が昔と変わって違う風に見えることもあるかもしれないじゃないか」
「…普通ならそう思いますけど」
山崎の励ましにも新八の表情は晴れない。何故って強烈キャラの集合体とも言える元3Zメンバーである、年月を重ね更に強烈になっていることは想像に難くない。それに新八にとっては久しぶりじゃない面子が多すぎるから尚のことそう思うのだ。
「神楽ちゃんは見た目は多少大人っぽくなったけど中身は大食いワガママ娘のままだし、姉上は玉の輿にのるだの言って合コン三昧、近藤さんは相変わらず姉上の周りをうろついてるし…」
はぁとため息をついて新八はもう冷めているコーヒーを啜った。
「でもさ、良く変わってる人もいるじゃないか…例えば、その、た、たまさんとか…」
山崎がドモりながら言った。世界初機械(からくり)女優たまは学生時代こそ無名ではあったが、卒業後深夜枠の連続ドラマで難役を演じ、その演技力の高さにその年の新人賞を総なめ。その後、映画『俺の女はターミ○ーター』で初の主演を果たし、今や日本中で知らぬ者はいないくらいの大機械(からくり)女優となっているのだ。
「あぁ…キャサリンさんがマネージャーになってから急激にたまさん仕事が増えたらしいですよ」
「あの猫耳おばさんは関係ない!たまさんの実力だよ」
力説する山崎に今度は新八が苦笑する番だった。卒業前に振られ諦めたが、現在は純粋に“機械(からくり)女優たま”を応援しているのだそうだ。ただ新八はどこまでが彼の本音か図りかねている。
「たまさんも来るそうですよ。二次会」
山崎の瞳が輝いた。
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