その後の3Zのその後

□符節を合するがごとく
1ページ/6ページ

坂田家の居間で産まれて間もない愛らしい赤ん坊を新八、神楽、妙、九兵衛、東城、長谷川が覗き込んでいた。
「「か、かわいいいい!!!」」
皆が同時に呟くと傍らで、それを見ていた月詠が微笑んだ。その隣には銀八。無事月詠が女の子を出産したとの知らせを受け皆でお祝いに来たのだ。
「ごっさかわいいアルヨ。本当に銀ちゃんの子アルカ?」
「当たり前だろ!喧嘩売ってんのかテメーは」
「良かったな。月詠先生に似たんだろう」
「ホントね。女の子は男親に似るとか、よくいうけど…この子は例外だったのね」
「……」
銀八はツッコムのを諦めた。うなだれる彼に月詠は苦笑いを浮かべる。すると空気を読んだ新八が話題を変えようと口を開いた。
「名前はなんていうんですか?」
「『乙音(おとね)』じゃ。銀八が付けた」
「おぉ、愛らしい名ですね。乙音(おとね)ちゃん」
「うん。銀ぱっつあんにしちゃセンスいい名前じゃん」
東城と長谷川が言うと銀八が自信を取り戻したように胸を張った。
「まぁな、一応国語教師だし」
「どんな意味を込めてるんですか?」
新八が感心しながら問う。
「え…いや」
「確かぬし、元ネタから頂いたとかいってなかったか?」
銀八が口ごもったので月詠が言った。
「あっ!オメー余計なこというな」
「元ネタって何アルカ?」
「この作品はゴリラ原作者が国民的熱血教師の名前とこのちゃらんぽらん主人公の名前の響きが似てるってだけでパロったのが始まりなのよ」
神楽の問いに妙が答え、呆れ顔の新八が後を引き受けた。
「…ほぼ名前だけですけど。向こう熱血、こっち無気力ですから」
「でもよォ、養護教諭設定に娘の名前まで拝借したら月詠先生本家みたく早死にしちまうんじゃね?」
長谷川が言うと皆一様に青い顔になった。
「同じじゃねェェ!乙女(おとめ)乙女じゃなくて乙音(おとね)だしィィ!あっち中学で俺高校だしィィ!向こうは感動授業とかしてっけどこっちマトモな授業シーンすらねーしィィ!」
「銀さん、いってて情けなくならないんですか?」
「心配ありんせん。わっちは黄色いハンカチなど飾って男を待つようなことはしんせん」
「いや、それ武田鉄也だけしかあってないんですけど…」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ