アトラスの星

□第5章芙蓉海賊団
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「・・・・やっぱり変ね。」
「・・・・そうね。」
「ロビンが言った事の、確実性が出て来たんじゃないか?」

「皆、もう大丈夫よ。」
「ルナ様。本当に大丈夫ですか?」
「ええ。ゆっくり眠って。」

スッ。

「ルナ様‼」
「ごめんね。あなた達は私がいなくてもう大丈夫。」
「ルナ・・・・様。」

そうして、使い達は意識を手放した。

「おやすみ。サン達。あなた達ならしっかりやっていけるわ。・・・最後までそばにいてくれてありがとう。」
「あなた達と麦わら一味・・・・。そして、フェニックスと黒龍。私の大切な人達をこれ以上傷つけたくない。だから、バイバイ。」

ガチャ。
別れるときは、とびきりの笑顔で。

「ナミ。行ってくるわ。ニコッ」
「ええ。いってらっしゃい。」
「皆、外にでないでね。」

ガチャン

「少し安堵したわ。でも、嫌な予感がする。」

そうそれは、まるで死ぬ覚悟をしていて、もう戻って来ないようなそんな笑顔。改めて思い知らされる。ルナが居なくなることは、ルフィがいなくなるかもしれないと思った2年前の、恐怖以上。同時に、この一味にとって、どれだけルナの事を仲間以上に、大好きって事を・・・・・。この一味は、もうルナがいなければつまらない。そんな感覚。沈黙が長く続く。助けに行く。その言葉を発したのは、ルフィではなく、ルフィの初めて仲間になって旅をした、ルフィの相棒と、コックだった。

「・・・・・ナミさん。ルナちゃんを助けに行きませんか?」
「・・・・・サンジ君?」
「・・・・・ルナは、死ぬ覚悟をもって俺達に、別れを告げた。俺達が助けても、喜ばないけどな。・・・・・だが、その海賊と海軍が、手を組んでいたら、ルナが一人で戦える人数じゃない。・・・・・ルナより弱い俺達がいっても、足手まといになるだけかもしれねぇが、俺はそれでも行くぜ。上等じゃねぇか。」
「・・・・・・ゾロ。珍しいわね。」
「悪いかよ。」
「・・・・・・ルナちゃんは、全てを計算した上で、俺達に別れを告げたのだと思いますが。・・・・俺は、ルナちゃん無しでは、今までの生活に戻れる自信がありません。」
「でも・・・・それだったら、サン達も残してるはずよね。ルナは、凄く優しいから、ルナの力でもう誰も傷つけたくないはず。つまり・・・・。」
「ルナ様は、あの海賊団を倒したあと、死ぬつもりです。」
「やっぱり・・・・・サン。死ぬつもりって・・・・・。もしかして・・・・・。」
「・・・・・・はい。・・・・・・初めてでした。ルナ様が、私達に力を使い・・・・・意識を飛ばしたのは・・・・。・・・・・そして、意識を手放す前に、私達に言ったのです。私達は、私がいなくても大丈夫。最後までそばにいてくれてありがとう。って。」
「・・・・・・そんな。だってルナはそんなこと1度も・・・・・・。ずっと冷静だったのに・・・・。」
「ルナ様は、ルナ様なりに、ここ数日ずっと考えていたのです。どうしたら私の力で皆を救えるのか?とか、今度私の力を欲しい人が現れたらどう対処しようとか。色々。追い討ちをかけられた家族の死。そして、ルナ様が嫌われる原因を作った海賊。」
「・・・・・・このメモが全て、限界になった原因です。」

そう言って見せたのはルナがぶつかった時に拾った1枚のメモだった。

『お久しぶりです。ルナ姫。16年振りですね。1時間後、この島の頂上で待ってます。キャプテンがあなたを御呼びなので・・・・・。 芙蓉海賊団』
「・・・・・これ!!」
「・・・・・そうです。このメモはルナ様がぶつかった相手に渡そうとしてたものです。出る時にかなり動揺していたのでしょう。普段のルナ様なら、こんなメモを落とす人ではないのです。」
「このメモを見て、思い出しました。芙蓉(ふよう)海賊団。それは、ルナ様にとっては、かなり辛い現実。」
「・・・・・やっぱり、あの人は・・・・・。」
「・・・・・はい。ルナ様に、とてつもないトラウマを植えさせた、最低な海賊団の一味です。」
「・・・・・本当に最後まで最低なのね。ここまで、酷いとは思わなかったわ。」
「欲しいものを手に入れるためなら手段を選ばず残虐を楽しむ。ルナ様が大嫌いな人間。そのもの。」
「・・・・・・こうしちゃいられない‼今すぐルナを助けに行くわよ‼」
「・・・・・・そうですね。」
「そうだな。どうする?キャプテン。」
「決まってるだろ‼」
「ふ。了解。」
「了解。」
「ウソップ‼てめぇらも異議はねぇな?」
「あぁ。」
「もちろんだぜ‼」
「当然ですね。ヨホホ」
「当たり前ね。」
「もちろんよ。」
「俺も頑張る。」
「ありがとうございます。皆様。」
「なにいってるのよ。サン。お礼はまだ早いわよ。」
「海賊を倒してルナが戻って来たらだろ。」
「はい!」
「ルナ様を助けに行くならまずは、腹ごしらえだな。腹が減っては戦は出来ぬ。」
「ごめんなさい。カルガモさん。」
「なにがた?」
「アトラス島が好きなあなたをだますつもりはなかったの。だけど、ルナが素性を隠してたから、言えなくて。」
「気にすんな。なんか訳ありって思ってたからな。それに、ルナ様が本当にいると思わなかったが、本物を見れたしな‼ガハハ‼」
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