アトラスの星

□第1章プロローグ
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麦わらの一味遭遇数ヵ月前
新世界 アトラス島内部
「王様‼王様はいらっしゃいませんか?」
「どうしたのです?騒がしい。」
「今日は、儀式の日ですよ。お父様は今儀式中です。」
「ルーン王妃、アルテミス王子。すみません。大切な日に。急な事でしたので。」
「急な事?何です?」
「招かざる客、海賊が何か言ってきたのね。」
「ルナ姫。」
「・・・ルナ。どういう事かしら?」
「・・・はい。お母様、お兄様。今、サンから報告が来たのです。」
「・・・サンから?何の報告ですか?」
「気温が少し上がって来たのでサンにお願いして、様子見に行って貰ったのです。」
「・・・・・サンは何て?」
「・・・海賊が今さっき上陸したと。港で騒いでいて、それを見つけた騎士が注意をしようと海賊に向かったのですが、返り討ちに遭い、空が怒っていると。それを聞いてすぐあちらの二人に向かわせたのですが・・・・・・。海賊達は戦う気はない。王様に会いに来たのだと言われた所よね?」
「その通りですルナ姫。」
「どうして、貴方達はそのまま引き下がったのかしら?」
「・・・・それはその・・・。」
「あちらの戦力は私達より、遥かに上まっておりました。そうですよね?」
「はい。」
「・・・・・・ですが・・・海賊達が言う戦う気はない。その言葉は冗談です。もう既に何人も殺られています。・・・・・つまり、あちらは私達が交渉は応じない。そう思ったのでしょう。あちらは海賊です。切れ者はいらっしゃるでしょうしね。それと、短気です。」
「・・・・そのようね。」
「どういたしましょう?お母様。」
「・・・・・・・戦う・・・・しか・・・なさそうね。」
「・・・・・・・そうでしょうね。ですが、海賊達はきっと私を狙っていると思います。私に考えがあります。・・・・全く、どっから噂を嗅ぎ付けたのかしら?」
「・・・・・・ルナ。もしかして、海賊達にお前と引き替えに攻撃するなって、交渉するつもりか!?」
「・・・・・・。」
「何で!!お前の一番嫌いな海賊にそこまでするんだよ!?」
「・・・・・・。嫌いよ。大嫌い!でも・・・・・・それよりもあんな経験は・・・・あんな残虐は、2度と起こって欲しくない!!!」
「・・・・・・ルナ。」
「・・・・・・お母様も、お兄様もご存知なんでしょ。私達は本当の家族じゃない。本物の家族は、私が小さい頃に海賊に殺されたって。私に心配かけないように本当の家族みたいにしようって。あの時、海賊に殺された方達が本当の家族ですよね?」
「・・・・・覚えてるの?あの日の事。まだ小さかったはずじゃ。」
「覚えています。最悪の記憶ですけど。私を最後まで護ってくれた家族だから。」
「分かったわ。貴方達!遅くなったけど、交渉に応じる。ですが、少し待ってもらって。ルナ。少し話しましょう。」
「お母様。」
「アルテミスも、異議はないわね。」
「お母様がそう言うなら、仕方ないですね。」
「お兄様。」
「すぐ行って。」
「はい。ただいま!」
「じゃあ少し話しましょうか?アルテミスも。」
「はい。」
「どこから。話そうかしら。・・・・・・。最初からね。」
「お母様。」
「・・・・・・貴女のお父様は、2代目の王様。」
「2代目。ですか?」
「ええ。つまり、1代目王様の子供。1代目は、臭いものに蓋の原理で、私達見たいな貧乏な人達には過激な労働や、古ぼけた一軒家に大勢で住まわされたような感じだったの。」
「お兄様達は、貧乏だったのですか?」
「貧乏でしたよ。ですが、2代目はその1代目の考えにずっと悩んでおりました。よく城を抜け出しては、私達の所に遊びに来てました。・・・・・・若いのによく私たちの事を考えておられていた方でした。私達もこういう方こそ、王に相応しいそう思っておりました。」
「そうなんですか?」
「はい。しばらくして、1代目は病に倒れ、次なる王にお前の好きにしろ。と言う遺言を残し、まもなく亡くなられました。」
「・・・・・それからです。ここが裕福に変わり始めたのは・・・。おかげで今はここの島から、貧乏と言う言葉が無くなりました。そして、ルナ姫がお生まれになったのです。・・・・・・貴女がお生まれになったとき、2代目も驚かれる出来事が起きたのです。」
「・・・・・・それは・・・・。」
「はい。黒龍とフェニックスが姿を見せ、貴女にひざまついたのです。もうお分かりですね。」
「ええ。100年に一度生まれる、神の血を引く最強の子。波風も操れる最大の力。その者が生まれしとき、世界に災いが訪れる。」
「はい。神の子は災いを呼び寄せ、災いを振り払い、世界の治安を立て直す。その者が生まれた時は、祈りを捧げよ。」
「・・・・・その通りです。ルナ姫。」
「・・・・・それから、少し経ち災いが訪れた。」
「海賊の使者がお城にいたのです。」
「海賊の使者・・・・・・。」
「はい。貴女の父親がそれに気が付いた時はもう遅く、海賊が攻め込んできました。」
「・・・・・・どうして。」
「もちろん、ルナ様を奪うため。」
「・・・・・・楽して、海賊王になりたいって言う事ですか。」
「そういう事です。」
「天候や、波風、治癒、力の増幅など全てができる最大の特殊な力は、海賊にとって最高の力ですもね。」
「そうね。それで、私達に城とルナを頼む。って言って亡くなられたの。」
「・・・・・・じゃあ貴女達は、本当の父親と、家族ぐるみで仲が良かったのですね。」
「ええ凄く。アルテミスってばルナ姫のお話ばっかしていらしたのよ。」
「母さん余計な事を‼」
「あらら。顔が真っ赤。」
「お母様‼」
「あっそうだルナ。貴女のお兄様から預かってるものがあるの。時が来たら渡しってて。そう言って多分今がその時。これよ。」
「王族の、ペンダント?私も、持ってるわよ?」
「そうね。でも、よく見て。彫刻が違うから。」
「彫刻?そう言えばそうね。私の彫刻は、黒龍とフェニックス、王族の紋章。お兄様は、王族の紋章だけですわね。」
「貴女ならこのペンダントの意味、一番分かるわね?」
「はい。分かります。」
「逃げたくなったら、これを使いなさい。それは、貴女の力を守るお守り。」
「逃げたくなった時、これを使えば時を止められるアトラス家の最強の力・・・」
「・・・・・アトラス家は代々色々な力を持つ・・・。海賊にとっても、私達にとっても、海軍にとっても、神のような存在。最強の王族・・・・神の力をも操れる・・・。世界に災いが訪れる時、動き出す。任せましたよ。ルナ姫。」
「はい。ありがとうございます。」
「ルナ。でも、本当に良いの?今からだって戦う事はできるのよ。」
「いえ。大丈夫です。私の性格ご存知でしょう?」
「知ってるわ。だからこそ、可哀想で。」
「大丈夫です。」
「本当に行くのだな。」
「「「お父様‼」」」
「・・・・・・はい。お父様。儀式の日に騒がして申し訳ありません。」
「構わん。今日はルナの誕生日だ。好きにするが良い。ただ一つ教えてくれ。」
「何でしょう?」
「お前は、いつから気付いていたんだ?俺達を恨まないのか?」
「王族に仕えるペット達が居なかったから。それと、血が繋がってないとはいえ、ここまで育ててくれた恩人です。なぜ、恨む必要が?」
「・・・・・ルナ姫。」
「・・・・・じゃあ行きますね。もうそろそろ海賊も、限界です。早く行かなければ、無駄な血が流れてしまいます。」
「・・・・・俺達も送ろう。」
「ルナ。必ず帰ってこい。俺はお前の事好きだ。返事はいらない。分かってるから。ただ必ず帰ってこい。それが俺の願いだ。ルナ。」
「ありがとう。アルテミスお兄様。」
「ようやく呼んでくれたな。」
「じゃあ行きましょう。今までありがとうございます。」
「いや。」
「おい‼まだか?」
「お待たせ致しました。」
「姫様が直々とは話が早い。」
「やはり、私を狙っていたのですね。」
「物分りのいい姫様で助かった。なら交渉に応じるのか?」
「はい。ただし、条件があります。それを吞めないのなら、ここで死んでいただきます。」
「・・・・・・どうする?」
「分かった。お前が来るなら、条件を呑もう。」
「条件を呑むなら私もそちらに向かいます。」
「その条件は何だ。」
「2度とここに上陸して、攻撃を仕掛けないで。そして、アトラス島に、関わらない事。それがの条件です。これが吞めないのならここで死んでいただきます。黒龍の力はあまり使いたくないので、即決して下さいませんか?」
「分かった。約束しよう。」
「交渉成立ですわね。」
「・・・・・・それを破った時は、黒龍のお怒りに触れるでしょう。」
「分かった。必ず守ろう。こっちも困るんだ。」
「分かりましたね。では、参りましょう。」
「ヤローども‼攻撃を止め!!舵をとれ!!出航だ‼」
「じゃあまたね。今までありがとう。」
「姫‼」
それから、数ヵ月後
麦わらの一味
「のどかね。いい天気だわ。」
「そうね。」
「サンジ〜腹へった〜。肉はまだか〜。」
「うるせぇ今作ってんだ待ってろ!」
「見つけたぞ。ヤシの実だ。」
「どれだ?よく見つけたなチョッパー。」
「遥かに右方向。南の方だ。」
「よし。」
「待ってくれ〜。何だ?人が倒れてるぞ。」
「人?」
「あぁ。女だ。」
「女!?」
「早!いつの間にサンジが居るんだ。」
「サンジ〜肉はまだか〜。」
「ホラよ。」
「うぉー!!上手そうだな〜。」
「今、行きます‼俺の天使ちゃん〜。」
「こら‼サンジ君知らない子助けちゃまずいでしょ!」
「もう行ったわよ。」
「はぁ。しょうがないわね。」
「あげてくれ。」
「ホラよ。」
「大丈夫か?俺は医者だぞ。」
「誰?この子。それに、このペンダントどっかで。」
「噂に聞いた事あるわ。新世界にアトラス島と言う、天候を操れる人々が生活していると。別名見えぬ島や天使が住む島。」
「見えぬ島?どういう事?空島見たいな感じかしら?」
「いえ。その場所には、島があるの。霧隠れしていてほとんどは見えない。ただ月に一度大きな流星雨が流れるときに姿を現す。その島の姿を見たとき、みんな口を揃えて言う。天使が住んでる島と。」
「そんなに、綺麗なのそこの島。」
「ええ。その島に上陸できたら、鐘を鳴らせ。そうすれば夢が叶う奇跡の島。」
「行ってみたいわねそこの島。でも、その島から帰った人はいるの?」
「唯一、一人だけ。 この大海賊時代を作った張本人。ゴールドロジャーだけよ。」
「じゃあゴールドロジャーは……。」
「そこに漂流して、鐘を鳴らした。」
「漂流って……。」
「そうよ。ロジャーはその島に迷いこみ、黒龍とフェニックスが認めた唯一の大海賊。その島は、もう一つ別名があって、黒龍とフェニックスが守る島。そう言われてるわ。」
「……。」
「行きてぇなその島。冒険の臭いがプンプンする。なぁサンジ、ゾロ。」
「「そうだな。」」
「あんた達‼そんな島行けないわよ!!」
「方法は、あるわよ。・・・この子。その島の王族。」
「えっ‼えっ‼嘘。」
「そうよ。このペンダントは、王族だけが、持っている証。あっでも、この子。本当の神ね。」
「えっ‼」
「そうよ。王族の紋章の中に、よく見ると、黒龍とフェニックスが彫られているでしょ?これがもう一つの、王族の紋章。」
「これなら、私も知ってるわ。黒龍とフェニックスが彫られてる紋章を持つ者は、100年に一度生まれる神の子。」
「どういう事なんだ?」
「つまり、天候を操れる力も含め全ての能力を持っているの。それが、この子。そして天地の神様の主よ。」
「・・・神様。」
「……えっ‼えっ‼。そうなのか!?」
「いるわけねぇだろ。そんなもん。」
「あら?いるわよ。でも、本当に見ないと信じないゾロは特に驚くわね。きっと。」
「何でこんな子が、海に?」
「きっとその島に上陸した海賊が連れていき、黒龍とフェニックスの怒りに触れたって所ね。普通の海賊にとってこの子の力は、絶対必要だから。」
「そうよね。この子だけが助かった見たい。周りをよく見ると残骸だらけ。私達も欲しいもの。この子の力。ねぇルフィ。」
「そうか?俺は、要らねぇ。」
「やっぱり。変わってるわよね。ここの一味……。」
「ナミ達静かにしろよ。怪我人だぞ。医務室に連れていかないと。」
「俺が連れていく。」
「お願いね。サンジ君。」
「はーい。ナミさん〜❤」
「サンジ。落ちる!!落ちる!!」
「分かってる。行こうぜ。」
「あぶね〜。」
「でも、素敵なペンダントね。高くつくかしら?」
「ナミ。売るなよ。こいつの大切な持ち物だろ。」
「分かってるわよ。」
「おーい。ナミ。」
「チョッパー。どう?怪我の様子は?」
「たいした怪我じゃ無さそうだ。さすが、天候が操れる人だよ。なぁロビン。そういえば、ロギア系の悪魔の実と違うのか?」
「さすがにそこまでは分からないわ。何せよそ者が入ると迷いの島になるの。そしてそっから出た者は、ロジャーだけだもの。アトラス島の住民は、謎に包まれているの。アトラス島だけは、どんなに技術が進んでも解明されてないの。」
「そうなのか。」
「ええ。色々な噂があるわ。悪魔の実を作って流してるとか、悪魔の実がなる木があるとか色々ね。」
「そりゃそうだろ。何せ見えぬ島って言われてるんだから。」
「怖いな。」
「怖いけど、そのまま海に投げるわけは行かないし、この子を送り届けないと。」
「でも、どうすればいいかしら?」
「だよな。」
「目が覚めた時に聞きましょう。」
「そうだな。今、寝てるから。」
「寝てる!?」
「力使いすぎだんだろうよ。」
「死んでは無かったのね。」
「ロビン。変なこと言うなよ‼」
「ごめんね。チョッパー。」
「これからどうするんだ?」
「まずは、様子見よう。」
「俺、決めた。」
「いきなり何よ。ルフィ。」
「俺、あいつと友達になりてぇ。いやなる!」
「いや無理でしょ。いくらなんでも海賊を信用してないのだから。」
「そんなの分からねえだろ。」
「分かるわよ。この子ルフィの仲間になる前の私に似てる。」
「ナミ…。」
「そうだな。一応戦闘体制にした方がいいのか?どうするんだ?ルフィ。」
「止めとくぞ。攻撃してきたらその時だ。」
「分かった。」
「まずは、様子見だな。」
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