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□蒼い瞳の恋
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青い空、青い海
日本とは違う青さに私は圧巻した。



友人に誘われて初めての海外旅行。
初めて見た日本以外の町並み・人並み。
そして、澄み渡る空と広大な海。
その二つが私を虜にした。

その興奮を携えたまま私達はホテルへと帰るはずだった。


「面倒だ。このまま連れてく出せ!!」
次の角を曲がればホテルだ。と、言うところで見知らぬ男に腕を掴まれた友人と私は何の抵抗も出来ないまま、車に連れ込まれ連れ去られた。


突然の事に、最初はついていけず混乱していたが徐々に状況が飲み込めていくと今度は言いしれぬ恐怖心が私達を襲った。
この男達の目的は何なんだろう?お金?ならば腕ではなくバックを掴むだろう。ならば、この人達の狙いは・・・・女・・・・

背筋が凍った。


私達が怯えきっている姿を鼻で笑う三人の男達。きっとこれまでも何人もの女性達をこのように拉致し、弄んだのがわかるほどの手際だと思えた。

   見知らぬ土地での拉致。

誰も私達が連れ去られた事を知らない。
もう、『絶望』それだけしか浮かばなかった。

絶望の中、横目で友人を見た私の頭の中は急に冷静さを取り戻していった。

『友人だけは助けなければ』
そう思い始めた。


車は何処に向かっているのかなど、皆目見当もつかないが、徐々に喧騒から抜ける音が耳につく。
幸いにも未だ拘束などをされておらず
彼女を逃がせるタイミングを冷静にお推し量る。チャンスは1度だけ。成功しても、失敗してもどちらにしても地獄を見るかもしれない。ならばやるしかない。

私は慎重に慎重に、周りの音に耳を澄ませた。

車が徐々にスピードを緩め始めた。
もうすぐ男達の目的地なのだろう。
ちらりと横にいる友人を見やれば、絶望の淵にいるようで目にはあふれそうな程涙が溜まっていた。

そんな彼女を見て、私の中ですっと光が射した気がした。

彼女をそっと抱きしめてそっと囁いた。
「【大丈夫。大丈夫だよ。きっと助かるから。これから何があっても振り向かず明るい光を目指して走ってね。いい?】」

私の声に彼女は未だ絶望を宿している目で見つめ返し頷いてくれた。
「【大丈夫、絶対に助けるから。私を信じて。】」
そう微笑むと彼女の目から少しだけ絶望が薄れた。

女を弱者と思いこんで自分達を強者と侮っている男達は私達を監視していない。車のスピードがまた更に落ちた。




『今しかない!!!!!!!!!』

私は直ぐ側にあった扉を開け友人と飛び降りた。
スピードは落ちていたといってもかなり危ない事だ。しかし、そんな事は言っていられない。

「大丈夫?きついだろうけど立って!!あいつ等が来る!!あっちに走って!!」
私は乱暴に友人を立たせると微かに光のある方角に彼女を押しやってせっついた。彼女は訳も分からない状態ではあるが、微かに希望を見いだしたのだろう光の方へ走り出した。

それと同時刻程で、車を止めた男達がこちらに向かって走り出してきた。
私は彼女の逃げる時間を稼ぐ為近くに落ちていた石等を手当たり次第投げた。

しかし、男達に適うはずもなく待機していたらしい男達の仲間に拘束され私の意識はそれまでだった。




















〜あとがき〜
・・・・・・・・・・・・えっと、すみません。
名前も出てない上に、チーフすら出せてない(´・ω・`)

次はきっとチーフのターンだよね(遠い目)
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