キュンしましょ!

□七夕
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「七夕って?」
ドランプはエモルのベランダに笹があるのを見て言った。
「願いを叶えるイベントさ。織り姫と彦星っていう、恋人が唯一会える日」
「唯一?ってことは、普段は会えねえの?」
「二人は仕事をさぼって遊んでばかりいたから、神様が怒っちゃったんだ」
へえ、とドランプは夜空を見上げた。
(夜には、そんなロマンチックな話があんのか・・・)
「ドランプ。何か願い事を書くかい?」
エモルはドランプに短冊を渡した。
「これに願い事を書くのか?」
「そうそう」
「英語で書いていいのか?」
「いいんじゃない?」
ドランプはさらさら、と願い事を書いていった。

ーーーーー
「普段何かあいつ、口説くのか?」
もん太が昼休みにそんなことを聞いてきた。
「例えば?」
「今日も愛しt「まさか。キザじゃないんだし」」
エモル、即答。
「んじゃあ、普段はどうしてんだ?」
「別に普通さ。日常会話して、テレビ見て、たまに泊まってって」
「へえ」
「甘い言葉とかは、あんまり囁かないかな」
本当は、少し言って欲しいのだが・・・。
ーーーーー

「できた。これを結びつけんのか?」
ドランプは書いた短冊を笹に付けようとする。エモルは紐を渡し、ドランプの書いた短冊を見ようとするが、
「あー・・・えっと」
ドランプはそれを止めた。
「見ないで欲しいんだが」
「?なんで?」
「だって・・・」
「見せて見せて!」
「だ、な!」

『I wish Orihime and Hikoboshi can spent a happy times today, like we are』

訳すと・・・

『織り姫と彦星が俺達みたいな幸せな時間を過ごせますように』

「・・・」
エモルは硬直して、微動しない。ドランプは顔を真っ赤にさせて、
「か、帰る!」
といってどこでもドアを出したものの、ドアの前で恥ずかしくなり、その場にしゃがんだ。
(ああくそ!穴があったら入りてぇ!!)
一方、エモルは、
(普段ヘタレるのに、こういう時だけそういうのやめてよね!)
両手で顔を覆っていた。

今、織り姫と彦星は幸せな時間を過ごしていることでしょう。

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