キュンしましょ!

□仕返しの仕返しを繰り返し
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(なんか・・・いつも俺、押されている気がする・・・)
昨日もそうだった、とドランプは思った。

昨日。
いつも通りエモルと一緒にテレビを見ていた時のことだ。

ドランプは大きな伸びをした。
「?ドランプ、疲れてるの?」
エモルが顔を窺うように、ズイッと顔の距離を縮めてきた。多分無意識である。
(近っ!!)
ドランプの胸が高鳴る。
「あ、ああ、ちょっとな」
「大丈夫?」
「お前より疲れてないから平気だ」
「じゃあさ、僕肩揉むよ」
エモルは立ち上がって、ドランプの肩をマッサージし始めた。ツボを押してくれている。なかなか上手い。
「お〜」
心地良い、とドランプは思った。流石はジャパンである。そういうところは世界一だ。
「結構凝っているね」
「お前もじゃね?」
「僕は自分でやっているから大丈夫だよ」
ていうかさ、とエモルは言った。

「こういうのって、なんだか夫婦みたいだよねえ。夫の肩をマッサージする妻、的な」

ーーーーーー
「あ、ああああああの言葉は、俺とあいつのみらっ・・・!?いやいやいや」
思い出し笑いならぬ思い出し赤面をするドランプ。
「なんだよ・・・俺いつもエモルからアピールされてんじゃねえか!!あれは絶対意識して言っているだろ!!」

そう言うドランプも、無意識にそういうことをしていたりする。

ーーーーーー
エモルはなかなか仕事に集中できなかった。その理由は今朝だ。

昨日、結構気持ち良かったのか、そのまま寝てしまった(無意識爆弾発言のせいで)ドランプと一緒に寝たエモル。翌朝起き上がろうとすると、ドランプが抱き締めてきた。
「!」
「ZZZ」
寝ているとは思えない程の力である。最初は狸寝入りか?と思ったが、どうやら本気で寝ぼけているみたいだ。
(抱き枕にされてる・・・!?)
このままいたいけど今日仕事っ!と自分と彼に一喝して、エモルはなんとかドランプの腕を解いた。
朝食や準備を済ませて靴を履いている時。寝ぼけ眼のドランプが玄関にやってきた。エモルはその姿にクスリと笑った。
「ドランプ、僕行くね?今日はゆっくり休みなよ?」
「・・・ん」
クイッとエモルを自分に近づけさせ、

ドランプは彼の頬にキスをした。

「!!?」
「have a good day, mom・・・」
ふぁぁ、とドランプはフラフラしながらリビングに戻っていった。

(母親が仕事に行く時はいつもこんなことしていたのか!?)
カァアァアッ!!
思い出し赤面をするエモルを、周りは「熱でもあるんじゃ・・・?」と心配する。
(あれ、絶対意識してやったんだ!!ぼ、僕がそんなことされたらどうなるか知ってて!!)


どっちもどっちである。

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