キュンしましょ!

□モッテモテな恋人
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クリスマスまで忙しい恋人、エモルと最近会えていない。理由は簡単。ちょっと色々あってショックを受けているからだ。
その色々とは何か?

実はついこの間、メジャー入りしたドラ一郎に会ったのだ。

「ドランプじゃないか」
一日のトレーニングを終えてそろそろ帰ろうとした時、同じくトレーニングをしていたのか、トレーニングウェア姿のドラ一郎が後ろから声をかけてきた。
「ドラ一郎、だったっけ?」
「WABC以来だな。どこかの野球チームに入ったのか?」
「まあな」
「そうか。いつか対戦するかもな」
「だろうな」
途中まで帰り道が一緒ということで、二人は喋りながら歩く。
「アメリカはどうだ?」
「英語を習得するのは大変だが、野球は面白い。流石メジャーって感じだな。こんな俺を行かせてくれたみんなに感謝しないと」
「ジャパンにいる自分のチームメイトに会いたいとか思わねえの?」
「思うよそりゃ」
「会わねえの?」
ドラ一郎はクスリと笑う。
「どこでもドア一つで会いに行けるけど、それは申し訳ないし、俺も自立しないといけないからな」
会うんだったら飛行機使って会いに行く、とドラ一郎は言った。どこでもドア一つですぐ恋人に会いに行っているドランプとは大違いである。
「真面目なこった」
「そうでもないけどな。今すぐにでも会いたい奴はいる」
「クロえもんか?それともシロえもん?」
「対戦をしたいんじゃない。普通に会って話したいんだ」
日本に置いてきた彼女か家族のことか?とドランプは思う。
「会いたくて仕方がないな・・・」
「誰だよ、それ?」
「名前を言うのは恥ずかしくて言えないけど・・・初めて会ったのはWABC。最初はちょっと困った奴だなって思ったけど、本当は仲間想いなんだよ。いつも見せてたあいつの笑顔、また見たいと終わってからも思っているんだ」
ドランプはWABCでの日本代表チームメイトを思い出す。
(あそこにマネージャー的な奴はいなかったよな・・・?スマイルが良くて、実は仲間想いな奴・・・ってまさか)
「ドラ一郎。まさかだと思うが、めっちゃくちゃ綺麗な長い黒髪で色白でお前マジでピッチャーかって思う程細い奴のことか?」
「なんだ。お前覚えているのか」
言わなきゃ良かった、とドラ一郎ははにかんだ笑みを浮かべた。そして衝撃の言葉を放つのだった。
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