小説(十二国記二次)
悪人の息子
今から50年前、慶に新たな王が立った。赤楽朝の始まりである。この王は玉座についてほどなく、長らく野放しにされていた酷吏、靖共・呀峰・昇紘を引き摺り下ろした。
時は流れ、現在は赤楽50年。呀峰の息子・晴穹は和州侯に任命される。生まれ故郷である和州では、昇紘の娘・桃莉と靖共の息子・雪條も、それぞれ令尹と将軍として働いていた。今なお語り継がれる父親達の悪名の影響に苦しみながらも、三人は絆を深めていく。
「おー、なんかかっこいい紹介。けど何か間違ってる!どうも、雪條です!」
「桃莉です。嘘は言ってないけどねー。あと上司よりでしゃばるな雪條」
「えー」
「その桃莉の上役で、しかも主役なのは私だ!なぜ二人が先に出る!」
「これが晴穹です。」
「これ言うな。…こんにちは、晴穹です」
…えー、これは苦労性の新米州侯・晴穹が、一癖も二癖もある側近・桃莉と雪條に振り回される、賑やかな短編集です。
「作者!この設定はどうにかしろ!」
いやです。このほうが私は楽しい。
というわけで始まり始まりー。
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