「右から一体、後方から二体です!」 仲間の声に眉間に皺を寄せながら男は後方を確認した。 視界に捉えたのは奇妙な動きををする巨人と、それを追って来たものの、読めない動きに翻弄され今にも掴みかかられそうになっている兵士の姿だった。 「リュート、右の巨人を殺れ。俺は後方を片付ける。いけるか?」 「いけます!兵長は早く後ろの巨人達を!」 二人の会話の間に、後方から苦しそうな兵士の悲鳴が聞こえた。 「リュート、任せたぞ。」 「はい!!」 仲間の返事に黙って頷くと、男は素早い動きで体を翻すと、ブレードを逆手に構えながら後方の巨人に向かっていった。 |