企画物BOOK

□君がくれた光【前】
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「君、立てる?大丈夫??」

「あ……っ、お母さんとお父さんが……巨人に……」

「…………辛いだろうけど、今は逃げないと……巨人がすぐそこまで」

「いや……だ。お母さんとお父さんのところに行きたい。私を守って2人は巨人に……」

「だったらなおさら、君は生きなきゃ駄目だよ。両親に守られた命だろ?早く立って。船着き場まで走るんだ。一緒に行こう」


あの時、あの地獄の様な光景の中で

彼が手を差し伸べてくれなかったら私は巨人の胃の中に滑り込んでいただろう。

彼に命を救われたあの時から

私の世界は彼だけになった―…。
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