企画物BOOK

□Sommet
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 「ったく。ハンジの野郎わざわざ呼び付けやがって……。」

不機嫌に眉を寄せながらリヴァイは調査兵団本部内にハンジの研究室の前でぼやいた。
 つい先程、食堂でモブリットに会い、何故か目を合わせずにモブリットは「ハンジ分隊長が研究室まで来てほしいとおっしゃっています。」とだけ言うと、急いでその場を去って行ったのだ。
 どうせまた下らない実験かしょうもない発明品でも見せてくるんだろう、と思うと研究室に向かう足取りも重くなる。そもそも、ハンジの研究室はとんでもなく物が散乱しているわ埃っぽいわで5分も入れば蕁麻疹が出てくるのだ。

「おい、クソ眼鏡!用があるならてめぇで出向け。」

言いながら、扉を開けるとやはり埃っぽい空気が充満していて、リヴァイはゲホッと咽た。

「あ、リヴァイ来た来た!ちょっとこれ、アンタに使ってもらおうと思って。」
「てめぇ、ちょっとは掃除しろっ……」

言いながらハンジの座る前まで来て、その机の上に置かれた物体にリヴァイは目を奪われる。

「どう?」

と、何故か得意気に聞いてくるハンジに対して、怒りとも呆れともとれない感情が芽生えてきて、リヴァイは言う。

「どうって……流石に趣味を疑うぞ、ハンジ。」

机の上に置かれているのは、そそり立った男性器の造形をした黒い置物だった。しかもその大きさがまた規格外のサイズだ。

「どうせならビッグサイズが良いと思ってね。はい。」

言って手渡そうとするハンジの手を払った。

「フザけるな。いらねぇぞこんなもん。何考えてやがる。」
「え、何でよ。」

キョトンとするハンジに逆にリヴァイは呆れた。何処の世界に男性器の形をした置物をもらって喜ぶ男がいるというのだろうか。いるのだとしたら同性愛者か余程の変態だろう。

「マホと使ってもらおうと思ったのに。」
「は?」

ハンジの言葉の意味が分からずそう返すと、ハンジはその置物の、形でいえば根本の部分を見せてきた。小さなボタンが付いている。そのままハンジはそのボタンを押した。
 リヴァイはますます眉を顰めた。目の前の卑猥な置物はハンジがボタンを押すと気味悪い程にウネウネと動き出したのだ。

「これ、スイッチで可動するモーターが入ってるんだ。私が開発したんだけど、こういうの画期的だと思わない?」
「意味が分からん。」
「マンネリのカップルにも良いと思うし、一人で寂しい夜を過ごしている女性にも……」
「とにかく、いらん。頭おかしいんじゃないのかお前。」

そう言って、そろそろ埃に目がやられそうだったので、リヴァイは研究室を出ようとした。その背後からハンジの言葉が飛んで来る。

「じゃぁ、マホに渡そうかな。」

ピクッとリヴァイの顔が引き攣る。クルッとハンジの方を向くと乱暴にその卑猥な道具を取り上げた。

「もらっておいてやる。ただ、使うとは限らねえからな。」
「はいはい。まぁ、感想聞かせてよ!!」

手をヒラヒラと振って見送るハンジにチッと舌打ちをしてリヴァイは研究室を後にした。



 その日の夜リヴァイは、部屋にやってきた自分の部下であり恋人のマホといつもの様に熱い夜を過ごしていた。リヴァイの愛撫でマホが果て、少し落ち着くのを待ちながらリヴァイはマホのトロンとした表情を眺めていた。。
 こんな風に自分の手でマホが絶頂を迎えるのはもう何度目になるのだろうか。何も知らなかった彼女に体で性を教え、快感を覚えさせて、今ではキスをするだけで下着をジットリと湿らす程の女になったのだ。
 自分の前だけで淫らになる彼女が愛おしいと思ったし、彼女の体にも充分満足していた。
 だから、マンネリなんて事はまず無いのだが…………。

「兵長……?」

 動きが止まったリヴァイに不思議そうにマホは声を掛けた。そのマホの柔らかい頬をリヴァイはソッと撫ぜた。
 
 マンネリはしていない。ただ、あの卑猥な道具をマホがどんな顔で見るのかというのは少し気になった。
 リヴァイはベッドの下に手を突っ込むと、使うつもりは無かったソレを取り出した。

「ひゃっ……何、ですかそれ……。」

その姿を目に映すなり、口を押えて恐ろしげな表情を見せるマホにリヴァイは聞いた。

「何に見える?」
「な、何にって……。」

言いにくそうに頬を染めて、口ごもるマホを見ながらリヴァイは根本のボタンを押した。

「ひっ……」

クネクネと卑猥に動きだしたソレを見てマホの顔が青ざめる。

「ハンジが作ったらしい。使ってみろと渡された。」
「あ、あの、兵長。使ってみろってその……誰に……」
「そりゃ、お前にだろ。」

その言葉にマホは足を閉じて、半身を起こすと後ずさった。

「いや、無理です。そんなの……入るわけない……。」

一気に熱が冷めたのか青ざめた表情で首を振るマホを見て、何処か悪戯心の様なものがリヴァイの中で沸き上がってきた。

「せっかくもらったんだ。使ってみるか。」

ガシッとマホの足を掴んだリヴァイにマホはギャッと色っぽくはない悲鳴を上げた。

「兵長、駄目ですって。本当にそんなの入らないですし、怖い!何か動いてるし!!」
「最初はスイッチ切ってやるから大丈夫だ。」
「いや!何が大丈夫なんですか!!」
「おい、大人しくしろ。」

そう言ってリヴァイは、逃げようとするマホの体を抱き込むと、彼女の唇に口付けた。
 扱い慣れているマホの体の力を抜けさせる事なんて容易で、舌で口内を犯しながら閉じられた足を開かせた。


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