企画物BOOK

□Britches chaud
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 団長室のソファに膝を抱えて三角座りをしながら、マホはグスッと鼻を鳴らした。エルヴィンはそんなマホの隣に座りながら、困った様にフゥと息を吐いた。

「また、リヴァイの浮気か。」

 こんな顔でやってくる時は大抵理由はいつも同じなので、エルヴィンは一応確認のつもりでそう聞いたら、やはりマホはコクッと首を縦に振った。
 
「部屋から新兵の女の子が出てきた。名前何だっけなぁ……。何か可愛い子。その後すぐにリヴァイの部屋入ったら……」

その時の光景を思い出したのか、マホは忌々しげに眉を歪めて首を振った。

全く懲りないな……

とエルヴィンはそんなマホを見て思った。
リヴァイの浮気に対してもそうだが、そんなに何度も浮気をされてもリヴァイの彼女で居続け様とするマホの精神にも呆れる。

「一度別れて見たらどうだ?」
「それは嫌!!」

何度かそう言った事はあるが、いつも返ってくる答えは同じだった。
 
 自分から離れてしまったらリヴァイは戻ってこないから、とマホは切なそうな顔をするのだ。
 
 性懲りも無く浮気をする男の何処がいいのだろうか……とエルヴィンは些か疑問だった。
 勿論、リヴァイの兵士としての実力も認めているし部下としてもとても信頼している。だが、彼の恋愛感についてはどうしても理解が出来なかった。
 今まで何人かの女性と付き合ったが、浮気等した事はエルヴィンは一度も無い。まず、付き合った時点でその女性を愛しているわけで、他の女性を抱きたい等という感情が沸く事が無かった。それが一般的だと思っていたが、世の男というものはパートナー以外の女性と関係を持つ事が少なからずあるらしい。それを知った時は正に晴天の霹靂だった。
 しかし、それにしてもリヴァイの場合は異常だ、とエルヴィンは思う。月に1度、多い時は月に3度はこんな風にマホがやって来る。それに、マホが知らない浮気もきっとあるだろうと思うとリヴァイの浮気の回数はとんでもない。
 一度、リヴァイにそれとなく注意をしてみたが、リヴァイは
「別に俺から誘ってる訳じゃない」
としか言わなかった。

「リヴァイは、きっと浮気が悪い事だって認識が無いんだと思うの。」

そう言ってマホは目尻の涙をガシガシと拭った。

何度こんな彼女の姿を見せられるんだろうか……。

エルヴィンは自分の胸の奥からフツフツと湧き上がる感情を押し殺す様に生唾を飲み込んだ。

例えば自分がマホの恋人であったなら、そんな事で泣かしはしないし、当然だが浮気なんてしない。
それでもマホは、リヴァイが好きだと言うのだからどうしようも無いのだが、毎回こうやって泣き言を言いに来られるのも正直そろそろ限界だ、とエルヴィンは思った。
 マホの肩をソッと抱くと、マホは甘える様にエルヴィンの肩に頭を預けた。
 こんなに無防備で無警戒で、それはつまり自分の事を全く男として意識していない事への表れだと思うと、逆にどうにかして意識させてやりたい、とエルヴィンは思うのだった。
 マホに肩を貸したまま、その唇に覆い被さる様に口付けた。触れるだけのキスをしてすぐに離すと、マホは何が起こったのか分からないのか放心していた。

「エルヴィッ……んっ」

ややあってようやくそうポツリとマホが呟いた瞬間再びエルヴィンはマホの唇を塞いだ。
 今度は強引に舌を割り込ませて、マホの口内を乱暴に犯した。

「ひゃっ……ちょっ、エルヴィン……んっ何で……。」

必死で抵抗しようと、マホはエルヴィンの体を押すが、力の差は歴然でエルヴィンはビクリともしない。
 そのままソファに押し倒される。
 自分の腹の上に馬乗りになって見下ろしてくるエルヴィンに初めて雄の本能を感じ、マホは恐怖でゾクリと背筋に寒気が走った。

「マホ。私は思うんだ。君も同じ事をしてやれば良いんじゃないかと……。」

言いながらエルヴィンはマホの頬をスッと撫でた。

「いや……止めて。エルヴィン。」

また涙を浮かべて首を振るマホを見て、エルヴィンは一瞬躊躇するが、それを断ち切る様にマホのシャツのボタン乱暴に引きちぎった。
 透ける様な白い肌を包む薄紫色のレースのブラジャーとその下にある贅沢な膨らみにエルヴィンはゴクリと喉を鳴らした。

「この下着は、リヴァイの趣味か?」

言いながらブラジャーと肌の隙間に人差し指をクイッと入れてその中に隠れている突起をピンと弾いた。ビクリッとマホが体を強張らせた。

「エルヴィン……。お願い。冗談は止めて……」

そう言うマホを冷たく見下ろすと、エルヴィンはブラジャーを乱暴に上に引き上げた。プルン、とした二つの膨らみが豊かに揺れる。

「マホ。これが冗談に見えるのか?」
「あっ……やぁっ………」

突起を口に含んで舌で転がすとマホは腰を浮かせながらイヤイヤと首を振った。
空いている方の乳房は手で包み、やわやわと揉みしだくと「んんっ」と苦しそうにマホは呻いた。その反応に手応えを感じ、エルヴィンは舌で転がしていた先端に歯を当てて優しく噛み付いた。

「あぁっ…………」

思わず漏れた甘い声に、マホは慌てて手の平で口を覆ったが、エルヴィンにその手をやんわりと払いのけられる。

「マホ。我慢するのは良くない。感じてるんだろう?」
「ちがっ……」

顔を真っ赤にして涙を浮かべて首を振る仕草にエルヴィンは自身の欲望が激しく熱を持つのを感じた。
 乳房を弄っていた手をゆっくりと下へ移動させるとズボンの上から秘部をなぞった。ズボンの上からでもソコが温かくなっているのが分かった。
 
「やぁっ……駄目、エルヴィン、本当に止めてっ……」

こんな日が来るのを、何度か夢見ていた。
恥じらいながらも快感を抱き、自分の名前を呼ぶ彼女の姿を……。
そんな夢が叶うはずがないと思っていたが、少し勇気を出せば簡単に叶うものだったのだ。
涙を流す姿までは見たくなかったが……。

そんな事を思いながら、エルヴィンはマホのズボンのボタンに手を掛けた。

「いやっ!!リヴァイ!!!」

ピク、とエルヴィンの手の動きが止まる。その一瞬を見逃さず、マホは思い切りエルヴィンを突き飛ばすと、ボタンの取れたシャツをジャケットで隠しながら走って部屋を出て行った。
 残されたエルヴィンは激しい自己嫌悪に襲われ額を押さえて頭を振った。

「何を……考えてたんだ私は…。」
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