企画物BOOK

□痛み分け
4ページ/4ページ

 
 雄と雌の生々しい匂いがまだ篭もる書物庫で、ライナーとマホは床に腰を下ろし、ピッタリと寄り添っていた。

「訓練、サボッちゃったね。」
「…ああ。そのうち教官が探しに来るかもな。」
「来られる前に早く戻った方がいいね!」

そうとなれば急ごう、と浮かしたマホの腰にライナーの腕が回った。

「もう少し……こうしていたい。」
「ライナー……。」



チラッと彼の顏を見てみれば、彼は眉間に皺を寄せて瞳を閉じていた。

分かってるよ……。
卒業したら、もう、会えない。

だから、私は今日の傷みを一生忘れないと胸に誓った。

ねぇ、きっと貴方も忘れないでしょ?

だって……後悔してるんでしょ?
貴方の胸も傷んでいるんでしょ?

共には歩んで行けない未来が、もうすぐ側まで近付いてきている。

抗う様にライナーの体に抱き着いたら、ライナーの腕もグッと力が篭った。

愛してくれて 有難う――…。



―END―

↓↓お礼文&後書き↓↓

読んで下さって有難うございます。そして、リクエスト下さった読者様、感謝しております!初ライナー夢でしかも裏という事で、ビクビクしながら書きました。
「ライナーの甘いR18」と希望していただいていたのに、書き進めてみれば何だか切ない感じになってしまいました。すみません汗)どうしてもライナー・ベルトルト辺りは切ない展開にしか進められなくて本当に申し訳無いです。一応初心者な二人を意識してみたのですが、意外に夢主が積極的だったりよく分からない感じになりましたが、楽しんで書かせていただきました。
ここまで読んで下さった方、リクエストを下さった読者様、本当に有難うございました。
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ