企画物BOOK

□Sommet
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「ん……。」
ゆっくりと意識が覚醒していき、マホは瞳を開けた。

「起きたか。」

ベッドの前に立ち、風呂上がりの姿でガシガシとタオルで髪を拭きながらリヴァイがこちらを見下ろしていた。

「あ、あれ、私……」
「覚えてねぇのか?ヤってる途中で失神したんだよ。」
「ええっ!?」

何とか思い出そうとするも、リヴァイに激しく攻められていた辺りから記憶が無い。困った様にリヴァイを見ると、面白くなさそうな表情で睨み返された。

「イク時に反応が無いってつまんねぇな。死体とシてる気分だった。」
「あ、うう……ごめんなさい。兵長。」

泣きそうな顔を見せる彼女の顔に触れると、そのまま腕の中へと抱き寄せた。

「もう絶対あんなおもちゃ使わねぇ。」
「そうして下さい。私ももう嫌です。」
「良かったんじゃないのか?」

からかう様に聞くと、マホはリヴァイの腕の中でブンブンと首を降った。

「兵長のじゃなきゃ、嫌です。」

そう言って顔を上げると、恥ずかしそうに彼女は笑んだ。

 エロい事言ってるはずなのに可愛いって何だよ……。

マホの魅せる表情に、改めて自分が如何に彼女を愛しているのかを実感した。
 もう二度とあんな玩具は使わないとは思ったが、結果として二人の仲は更に深まったので、ハンジを削ぐのは止めておこうか、とリヴァイは床に転がったまんまだった玩具に目をやって、フン、と鼻を鳴らした。

 ああ、でもやっぱり気に入らないな。こんなおもちゃにマホが喘がされていたなんて……。

 チッと舌打ちをして、リヴァイはマホの体を強く強く抱きしめるのだった。まるで、自分だけのモノだと訴える様に……。




「おい、クソ眼鏡。これ返すぞ。」

次の日、ハンジの研究室にやってきたリヴァイは、例の玩具をポイと机の上に投げた。

「えっ!?なに?もう使ったの?どうだった?」
「二度と要らねえよ。そんなおもちゃ。」

不機嫌そうなリヴァイを見てハンジは嫌らしげに笑った。

「はは〜ん。さては、リヴァイのよりもマホに気に入られちゃった?って、痛い!おい、冗談だろ!止めろ!!」

ガシガシと脛を蹴られ、ハンジは慌ててリヴァイから離れた。

「フン。くだらねぇ物作ってる暇あるなら訓練でもしてろ。」

そう言い残してリヴァイは研究室を出ていった。

「そんなに気に入らなかったのかな、これ。」

そう呟きながらハンジは玩具を手に取りマジマジと眺めた。
と、ノック音がして扉が開いた。

「分隊長、例の書類――って、まだあったんですか、それ。」

確かに昨日無くなったと思っていた卑猥な玩具がハンジの手の中にある事に気付き、モブリットは呆れた顔で上司を見つめた。

「あ、モブリット。ねぇねぇ、ちょっと、お尻出してくれない?」
「嫌ですからね!絶対!!」

それから数分間、研究室内での攻防戦が繰り広げられるのだった。


―END―
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