20万打企画用

□オー!マイダーリン!
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「仕事終わりにどこ連れてってくれるの?」
「どこだろうな」
「えー?」

はい焼き肉定食お待ちー!と掛け声1つ。ありがと名前ちゃん!と受けとる常連のおじちゃんに笑いかけた時、ふと聞こえた会話。どうやら奥のカウンターに腰掛けたカップルみたい。

「ふふふ」
「?、どーした名前ちゃん?」


「おい、飯粒ついてる」
「え!どこ!?」
「これ」
「痛たた!それピアスだから!あんたがくれたピアスだから!」


「ちょっと思い出しただけ!色々ね!」

不思議がる店長に休憩行ってきますと声をかけ、裏口から外に出た。




「ってことがあってねー」
「急すぎてついてけねぇや」

アパートの部屋で、テーブルを挟んで向かい合う2人。飲み物片手につまみを摘まむ姿は仕事帰りの親父のようだが、彼らはまだ成人前。手に持つのはウーロン茶だ。 沖田は楽しそうに仕事中の話をする名前に耳を傾けながら、たこわさびを口に入れる。うん、うまい。


「ちょっと聞いてる?」
「聞いてまさぁ。つかそれがどうして俺たちと繋がるんでぃ?」
「ああ、ピアス云々はどーでもいいんだけど」
「ちゃんと聞いてた時間返せ」

いや、意味がなかったわけじゃないよ!と刀を見せた沖田に慌てて弁解する名前。じゃあなんだよ、とウーロン茶を飲みながら睨めば、名前は嬉しそうに笑う。


「プロポーズも仕事終わりだったなーって」 「…は?」
「あたしが仕事でミスって、もう嫌だーって泣いた時、総悟がプロポーズしてくれたんだよね」
「…」


視線をそらして黙々とアジの開きを食べ始めた沖田に、名前はくすりと笑った。耳が赤いのは旦那さんのプライドに免じて黙っておく。仕事が嫌なら辞めろぃ。また次探しゃいい。けど、嫌でも悔しいなら負けんな。オメーの料理は美味ぇんだ。自信持て。


「ご飯、美味しい?」
「……まずい」
「総悟のためだけに作ったのに?」
「チッ、おかわり!」
「はぁい」


わ、私負けない!明日からもっと頑張る!おう。さーて、励ましてやったんだからお礼が楽しみだなァ。は!?お金取るの!? 名前よりは儲かってるんで金はいらね。え、じゃあ何を…。そーだなァ、そしたら…


「死ぬまで俺のために飯を作れ」
「ごほっ」
「はいウーロン茶」
「名前てめェ」
「これからも総悟のためにご飯作るから、毎日帰ってきてね」
「…フン、当たり前でィ」




 

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