*tune's story
□shake it!
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「ただいまー」
いつもより幾分低いトーンでこの家の家主が帰宅を知らせた。
おれは脱ぎ捨ててバラバラに転がったスリッパを急いで履き、玄関へと向かった。
「おかえり」
「なんだ、いたんだ。言ってくれたらもう少し急いで帰ってきたのに。」
「いいんだよ、俺が勝手にきただけなんだから!」
満面の笑みと明るめの声で言ったものの、潤は「そっか」と生返事をして俺の横をすり抜けてリビングへと入っていった。
最近の潤は何故かずっと落ち込んだ様子で、でも何となく理由も聞けないまま数日が経っていた。