BL-novel

□太陽みたいに
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「うーん、でも遙先輩たちが
どのくらい食べるかまでは
知りませんし、そこは凛さんの方が
詳しいのでは?」
「っ・・・」
俺の方が適任だと言いたいのか、こいつは。
怜のたった一言で、
ギュッと胸が締め付けられる。

「・・・じゃあ、こっちにしようぜ。
足りなくなるよりはいい」
「そうですね。じゃあこっちにしましょう」

その後レジで会計を済ませた俺たちは、
スーパーを出てハルの家へと向かう。



ここで言えなかったらもう後は無い。
俺は覚悟を決めて、怜を呼び止めた。

「何ですか?」
俺が歩みを止めたことで、怜も
歩くのを止めて俺に向き直る。

「・・・凛さん?」
「こ、この前のこと、なんだけどよ・・・」
「この前?」
「・・・大会のことだよ」
「あ、あぁ・・・それが何です?」
「その・・・あ、あれだよ」
謝るということに慣れていないからか、
思うとおりに言葉が出てこない。
第一、許してもらえるかも分からないのに。


「その、わ、悪かった・・・と思って」
あまりの気まずさに怜から目を逸らして
うつむく。
怜の表情がわからないまま、
少し沈黙が続く。
すると、怜がため息をついたのがわかった。
怒られるかと身構えていると、
思ってもいなかった言葉が返ってきた。

「悪かったって・・・
何を言ってるんですか、凛さん」
優しい声音に、怒られずに済むと
安心した俺は顔を上げて怜を見る。
しかしその瞬間、怜が眉間に皺を寄せた。

「れ、怜?」
「あのね、凛さん。悪かったって何に
謝ってるんです?」
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