ふらふらフライン

□精神崩壊への階段
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.....知っているか?この学校の七不思議.....









「目を開ける絵画『眠りの美女』、理科室の謎の視線、開かずの44番ロッカー、校長は妖精説、中に吸い込まれてしまうパソコン、和室の掛け軸の裏には洞窟がある................どれも馬鹿馬鹿しいオカルトだ。」

私は能生という。世にいうオカルトというものが嫌いな女子学生だ。

能「実際検証してみて帰ってきたものといえば、掛け軸代の請求、要らぬ時間の浪費、そして臭いスニーカー、.......これでもまだ『七不思議』という言葉を使うのか?」


そして私が今話しているのが、


「学校で有数のオカルト嫌いの能生君に朗報がある。」

コイツ。学校で唯一のオカルト部員の男子学生。名を茂名という。


能「心外だ。真実の探求者と呼んでいただきたい。」

茂「.....先日、七不思議の最後の一つを入手した。」
能「....嘘は嫌いだ。」
茂「ほう。何がかな?」

能「不在であること、それが最後の七不思議。七不思議なのに六つしかない.....。それがお前の属するオカルト部の認識であるはず。存在しないものをでっち上げるとは、、空いた口が塞がらないばかりか顎が外れそうだ。」

茂「いや、君は実にこのオカルト部のことを把握している。いっそのことこっちに引き込みたくなるほどに.....。」
能「五月蝿い。言い訳でも探しているのか?」

茂名は立ち上がって言った。

茂「確かにこのオカルト部ではそういうことになっている。しかしだな、物好きが居るものだ。私が今取り上げた最後の七不思議とは、最近生徒の間で噂となっているものだ。」


〜屋上のドアには取っ手がない。選ばれた者しか入れないからだ。ドアに入るためには呪文が必要。「エクメトテロエス」外に出るとそこには夢を叶えてくれる神様が居る〜


能「戯言を。さすがのお前にだって作り物だとわかるだろう?」

茂「ああ。....だが、訳が気にならんか能生君。わざわざこんなちぐはぐだらけのデマを流す訳が。君も一緒に行かないか?嘘を確かめるだけの簡単な仕事だ。」

能「馬鹿馬鹿しい。そんな価値...。」「そうか、君ともあろう者が怖気付くとは...。」「違う!!」

茂「いや、いいのだよ、私一人で行くので...。」
「さらばだ、"真実の探求者"よ。」

そういって立ち去ろうとした茂名の体を、私は反射的に掴んで言った。

能「行くよ!行けばいいんだろ!!連れて行けよ!!その屋上へ!!!」

茂「いい顔だ能生君。私以外の男性にその顔を見せない方がいいだろう。....そして善は急げだ。向かうは屋上。」


そうして二人で放課後の学校を歩き出した。これが全ての始まりだったのだ。



茂「能生君。さっきから気になっていたんだが、今日はニラ臭いな。」
能「今日の弁当はニラ玉だった。文句あるか。」
茂「いや、ニラ玉は美味い。」
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