seaweed

□キミメモリー
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「ほんっとごめんんんんんん…!」



「しつけェなお前は…」






夕暮れ間近の展望室。


目の前で困ったような笑顔で
わたしを宥めているゾロ。



悔しいことに
とても、いとおしい。




…というのは置いといて




今日はコイツの誕生日。






モノは要らねェって言うから



ケーキを作ったものの
ベタに失敗して





「だってこれじゃプレゼントなしじゃない…」




という状態に陥ってるわけ。




「気持ちで充分だっつの」


「…優しさが痛い……」



「何言ってんだ、おれァまなみが居りゃいいんだからよ。お前がプレゼントだ」



「なっ……何を言い出すかと思えば…!……ったくすきだバカ!」



「知ってるよバーカ」


「ふおおお…」




……なんて

バカップルじみたやりとりに
幸せを噛み締めてたら突然



「……!」





キラキラ閃いた表情を見せて
ニヤニヤしだすゾロ。




可愛いけど!
すっごい可愛いけど!


これは嫌な予感…………




「じゃあ失敗の代償として…「やだっ!!!」



「…まだなんも言ってねェ」





と、次の瞬間




ニヤって音がしそうなくらい
口角を上げて




鳥肌が立ちそうな低音を

わたしの耳にお見舞いする。










「“おれの言うことを何でも聞く”」



「やっぱり…」


「どうだ?まなみの誕生日もそうしたじゃねェか」




「受けて立つ!けど………ひとつだけね?」



「んじゃ、今夜は…「絶っっっ対やだ!!!」



「…だからまだなんも言ってねェよ」



わたしの誕生日もそうした、
ってことはそう、

どうせエッチがどうのとか
そんなことなんだから___



「今夜はお前が上な」
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