The Prince Of Tennis.

□Dear My friend
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『桃ー!お疲れ』

『お疲れっス、英二先輩!』



キンとした空に 輝く星たち

いつか君と見た 冬の帰り道



『はぁ…もう三月も終わりかよ』



信号待ちの 会話途切れて



『……くそっ』



君の溜息が 白く霞んでた

二人の距離を 測るものなんて
いらないと思ってた



『…越前、何してんだろうな』



気まぐれなふりをして
君は演じていたんだって



『まずったか?あの手紙』




解ってたんだでも俺は 夢叶える為に…
いつからかお互いが 一番肝心なこと



『あー…会いてぇな』




言えなくなってしまっていたね
Dear My Friend.



















初めて二人で 自転車に乗った日



「リョーマ、ちょっとリョーマ」
『何、母さん』
「カルピン知らない?」




風はまだ少し 頬に痛かった



『カルピン、おい。カルピン』
〔ほあら〜〕
『俺の部屋なんか勝手に入っ…あ!手紙踏んだだろ』
〔ほあら〜〕



背中に感じた 君の体温



『まだ返事書けてないんだから…』



ペダルを踏み込む スピード緩めた

さよならさえも 告げないままで
それでもいいと思った



『怒ってる、かな』



気付かないふりをして
俺は演じていたんだって

解ってたよね でも君は
何も言わないままで



『でも』



君からのエアメール



『この手紙にどう返せば良いわけ?』




返事は出せないままさ
書き出しがまだ決まらない



『ほんと、曲者 』



Dear My Friend.



















二人の距離を 測るものなんて
今は何もないけど



「武!あんた宛に手紙来てるよ」

『桃ちゃんWOW WOW♪んー、誰から?』

「しかも、エアメール」

『母さん、サンキュー!……っ!?ちょっと出てくるぜ!』










気まぐれなふりをして
君は演じていたんだって




解ってたんだ でも俺は 夢叶える為に…



『ハァッ…ハァハァ…きっつー!』



伝えたいことがある 一番肝心なこと



『越前!』

『…遅い』

『悪い!って…エアメールってどれだけ時間掛かるか分かってんのか!?』

『…さあ?』



桜咲く頃 あの場所で



『ねぇ。帰ってきたんっスけど…手紙通り』

『…っ!おかえり、越前!!』

(ギュッ)

『ただいま、っ…苦しいってば!』



Dear My Boyfriend.











君からのエアメール⇒
〔越前、好きだ。帰ってこい〕



俺からのエアメール⇒
〔4月2日 帰る 16時に駅まで宜しく。〕











――――――――
あとがき

【RYOMA Dear My Friend 】
より、引用させて頂いております。
また最後の〔 Dear My Friend 〕部分を
小説の都合上〔 Dear My Boyriend 〕と
表記させて頂いております。

本当にいい曲です。
バラードになっていて、アメリカに行ったあとのリョーマ君を思わず想像してしまう良い歌詞。
3rdの中で二番目に好きです。
一番目はやはり、Sill。

リョーマ君のあのハスキーボイスで歌われた『君からのエアメール 返事は出せないままさ 書き出しが決まらない』って部分がセクシーで切なくて。

どうぞ、これを機会に一度聞いて頂ければと思います。


雪苺

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