小説(弾丸)
□【長編】ふたりぐらし #1
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まずはユニットバスから見てみよう。扉を開けてすぐ目の前に洋式のトイレがあり、その奥に防水カーテンの付いた少し小さめのバスタブがある。ここには誰もいない。俺が部屋を出たあとに使われた形跡も無かった。
次に押し入れ。ここには最初、普段自分が使う分の布団と、知り合いが泊まりに来たときなんかに使う布団、合わせて二組入れておいたはずだ。だが今は俺が使う方の布団が畳の上に落ちており、中には客人用の布団しかない。中に人が居る気配も無く、緊張と安堵が混じった溜め息をついた。
…さて。最後に問題のあの布団。ちょうど人1人がうずくまって隠れることが出来るくらいの大きさに膨らんでいる。一番怪しかったからこそ一番最後に調べてみることにしたのだ。そこを捲って出てくるものはなんなのか。震える手で布団の裾を掴む。
「何も居ませんよー…にっ!」
祈りながら一気に捲りあげた。
そこには
白い天使がいた。