作品-二部-
□心拍の数で
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【心拍の数で】
ねぇ、ナルト?
お前を護ることのできる、この力をくれた父さんと母さんに、俺は心から感謝するよ…。
カカシside
ナルト?
辛いかも知れないけど、よく聞 いてね?
俺はさ、もしもう一度お前のために命を懸けろって言われたら、喜んでこの命を捧げるよ。
お前が、それを聞いて泣くってことはわかってるんだけどね?
別に、死にたいわけじゃないよ?
だから、泣かないの!ね?…うん、可愛い。ただね、ペインに殺された時、俺は、多分この世の誰よりも幸せだったよ…。
あぁ、お前を護って死ぬんだって思ったから…。
『怖くないの?』
うーん、死ぬのが怖いって思うよりも俺はこの人生をいやというほど満足してるからさ、いつ死んでも、俺に後悔はないよ。
俺の幸せは、お前の隣で笑いあうことだからね。
いつも、それが出来る今が幸せでしょうがないの。
病院のベッドで青色の瞳から、コロコロと涙を零すナルトの目尻を拭った俺は、出来る限りの力でギューッと抱きしめた…。
未だ嗚咽を漏らすナルトの背をトントンと叩きながら、続きを話し始める。
この心臓が鼓動を叩くうちは、俺がナルト、お前を精一杯護りたいんだ。だって、俺が生きる意味は、これだけなんだから。
ナルトを護って、ナルトと笑って、たまにナルトと喧嘩して、その分ナルトを泣かせるかも知れないけど、こんな何気ない当たり前だけど平凡で幸せな日々を全力で守っていきたいんだ。
抱きしめるだけで、重なる心臓の音はどちらとも少しだけ加速して、ナルトが俺に、俺がナルトに
って、愛を囁いてる。
ほら、聞こえるでしょ?
嬉しくなるでしょ?
ずっと、聞いていたくなるでしょ?
俺が生きてるって事は、つまり、ナルトが生きてるって事に繋がって、俺の『好き』は…そうだなぁ…脈の打った数って事になるのかな?
end
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後書き
きっと、ペイン戦を読んだ直後に書き殴ったモノ。
某ボカロ曲のイメージです。
20150619
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