一部
□優しい危機感
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【優しい危機感】
「やっぱり、なんか好きなんだよなー・・・」
久々にナルトの家に遊びに来た俺は、ナルトの一言でテレビへと視線を向けた。
向けた先のテレビには、所謂子供向けの番組が流れている所だった。
「何が、『やっぱり、なんか好きなんだよなー・・・』なの?」
「んー?この番組の『先生』がなんか好きなんだってばよ!」
『先生』?
今さっきまで子供にしか注目していなかったから、その『先生』というのが誰のことかわからなかった。
「誰のこと?」
「あ、もう終わっちゃったってば・・・」
教えて貰おうとテレビに、釘付けになれば番組は終了したらしい。ナルトは少し、残念そうにテレビの電源をリモコンで切った。
「あの番組、10分で終わっちゃうんだってば・・・」
「そうなの?」
かなり不服そうな顔をしてるナルトは、お腹も空いたのか先ほど出来上がった料理に口をつける。
「先生、また料理の腕上がったってばね。いただきまぁーす!!」
「ふふ、ありがと。いただきます」
ご飯を食べながら、さっきの番組の話をする。
その番組は、『忍者を目指す子供達が日々頑張る』というナルトにしたら既視感わくような番組だった。
「その子供達の先生が、俺昔から大好きなんだってばよ」
「へぇー」
「なんであんなに好きなんだろ・・・?」
食べる手を止め考え込むナルト。
考え込むから、全然ご飯が片付かなくてナルトをせっついて晩ご飯を食べさせた。
それから順番にお風呂に入って、ようやく寝るというところでナルトが思いついたように声をあげる。
「あっ!!」
「何、急に・・・?」
「先生、俺分かった!」
「何が?」
せめて主語を話してくれるかな、ナルトくん・・・。
「俺が、先生を好きな理由!!」
「は?///」
何言ってんの、この子・・・。凄く恥ずかしいんだけど・・・。
「それで、何処が好きなの?」
「声!!」
声?確かに、付き合ってきた女共にいい声だねとか言われたことあるけど・・・。そこなの?
「俺ってば、土井先生の声が好きだ!」
「うんうん、土井先生ことね・・・って、え!?」
土井先生?誰よ、そいつ。
「あぁー、すっきりした!!寝よう!お休み、カカシ先生!!」
「ちょ、おま!!」
(お休みB秒ですか・・・)
心地好さげに眠るナルトを見て、心癒されながらも俺にはモヤモヤだけが残った・・・。
後日、土井先生というのがナルトの見ていた番組の『先生』でしかも、イルカ先生の声に似てるもんだから俺は少なからずショックを受けたのは言うまでもない。
END
ーー後書きーー
忍/た/まブームが来てた時の産物。
土井先生みたいな先生と出会いたかった。
改稿20140314