一部

□月は見てる
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【月は見てる】


Side.N


カカシ先生は、唐突に甘えっ子になる。




「…カカシ先生?」


コンコンといつもの音が窓から聞こえてくるから、その目線の先に誰がいるのか容易に想像できた。
目線の先には、少し眉の下がった担当上忍の姿。あるいは、俺の秘密の恋人。


「どうしたってば?」
「ん…ちょっとネ」


窓を開けて先生を招き入れる。いつもよりシュンとした髪に、疲れたような表情は恋人になってから初めて知った。
カカシ先生は時々、こういう酷く疲れた日がある。まるで、生きることの重さを棄てたがってるようで、俺ってば慣れたケド、その度に心配になる。


「ごめん。ちょっとだけ、抱きしめていい?」
「ん…」


招き入れた後、俺は後ろのベッドに座ってカカシ先生は床に座り込んで腕を伸ばしてきた。それに、身体を絡ませてカカシ先生の背中に俺も腕を回す。
今日は随分と月明かりが眩しいんだなと思って、今日が満月だったことを思い出す。俺の腕には、上忍でも教師でもない恋人のカカシ先生が埋まるように顔を擦り寄せてきていた。


「カカシ先生、今日は泊まるってば?」
「…」


無言。
これは、無理の合図。多分、明日の朝一に仕事が入ってるんだろう。
俺は、ベッドの上で正座していた足をブランとベッドの外に伸ばし、カカシ先生の身体をベッドに横たえた。必然的に、ひざ枕する状態になる。


「今日は、月が綺麗だってばね…」
「…うん」


窓の明かりは、月と遠くで光るネオン。銀色は、光りを反射してキラキラ光る。その髪に、指を絡ませて梳くように撫でると静かな寝息が聞こえた。














朝、目が覚めると俺はベッドの中で眠っていた。カカシ先生は、もういなくてまるで夢を見ていたような錯覚に捕われる。
ノロノロとした動きで朝食の準備を始めて、支度は午後からでいいから朝食を食べた後に、もう一度ベッドに入った。
ベッドからは、少しだけカカシ先生の匂いがするからそれに安心してもう一度眠りにおちた。



午後の任務に遅れたのは、言うまでもない。


end

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後書き

甘えたのカカシ先生が書きたかったダケ…(〃ω〃)




201108
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