短編夢小説(NARUTO)

□寂しいのは
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あなたは息があがっていて、急いで来てくれたんだと、胸が熱くなった。

「鬼鮫を待たせている。オレはすぐにここを発たなければいけない」
「そっか」
「どうしても、ヒナタに会いたくてな。元気にしていたか?」
「うん。ちゃんとご飯も食べてるし、修行もしてるよ」
「そうか、それはよかった」

イタチはくるりとこちらを向くと、巻物から少し大きな包を取り出した。

結婚指輪……にしては大きすぎるかな。
私は期待した自分に少し呆れながら包を受け取る。

そうよね、イタチは忙しいし、何より結婚なんて出来るわけないもんね……

「整理しておいてくれると助かる」

イタチはそう言って、私に甘い口づけをすると、夜の闇に消えていった。



私はしばらくそのまま立っていたが、手元にある包を思い出していそいで家の中に入った。

整理しておいてくれると助かる、って、どう言う意味だろう。
とりあえず、開けてみよう。

私は包みを開けようとして、ふわりと香った彼の香りに、思わず手を止めた。

この香りは、まさか……

私は急いで包みを開けた。
その中に入っていたのは、暁の装束や、彼の私服だった。
その上に、小さな箱が乗せてある。
私はドキドキしながら、箱を開けた。
そこにはルビーの綺麗な指輪が入っていた。
指輪のリングの部分には、ローマ字でヒナタ,Uの文字。

私は真っ赤になりながらその指輪をはめ、急いで彼の服をタンスに片付けた。







これで昼も、寂しくない。
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