One More Night

□O M N 12
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対して惹かれるものもなく、俺からしたらしけた島だった。

絡んでくるヤツ、賞金稼ぎもくだらないやつばかりで。
俺はイラつきに任せて片っ端からぼこぼこにしていた。


そんな時だった。


天使が俺にぶつかってきた。



One More Night 12



「で、キッド。何があったんだ?」
「....。」

あの天使に会ってからのことは全く覚えていない。
恥ずかしいことに頭がぼーっとして、気がついたら船に戻っていた。

「何か変な物でも見たのか?」
「まさか、キッドに限ってそんなもんにうろたえないだろ。」
「....天使に会った。」
「「はぁ?」」


わからないといった顔をしているキッドやクルーたちに、俺はあの衝撃をそのまま伝えた。

「キッド、意味がわからない。順を追って話せ。」

キラーは落ち着いた声で、俺に説明を促した。
そのトーンに少しずつ落ち着いた俺は、今度は全身が熱くなり顔が赤く火照るのを感じた。

「大丈夫か?」
「....ああ。」

俺は、あの衝撃を思い出しながら大きく深呼吸をした。

「さっき、街を歩いていたら、天使が俺にぶつかってきたんだ。」
「天使?なんだそれは?」
「お、お、女だ!」
「「「....ああ。」」」

キラーたちは何かを悟ったようにつぶやいた。

「キッドは、見た目に反して初心だからな。」
「近寄ってきた娼婦にガチガチで逆に怖くて恐れられてるしな。」
「これだから童て....「ぶっ殺すぞ!!」グヘッ!?」


くだらないことをいうクルーをぶん殴った。

「つまり、キッドが興味を示す女が現れたと。....貴重だな。どんな女なんだ?名前は?」
「....わからねぇ。すげぇいい匂いだった。」
「ここの島のヤツか?」
「....わからねぇが、亜麻色の髪が風にふわふわ揺れて...瞳が澄んでて目が離せなくなるんだ。女神かとも思ったが、あのふんわり笑う笑顔が天使なんだ!!」
「「「....。」」」

俺は、覚えている限りの記憶を言葉に乗せた。
そうすることで、より鮮明にあの天使の顔が思い浮かぶ。

「....まあ、なんだ。今までどんな女にも興味を示さなかったキッドがここまで気になる女だ。探してみる価値はあるな。」
「ま、ま、まて!!すぐに探す気か!?」
「当たり前だ。俺たちにも航海の都合がある。何か不都合でもあるのか??」

すぐにでも船を出て行こうとするこいつらを、俺は慌てて止めた。


「す、すぐには目を合わせられねぇ....少しまて。」
「....まずは、次会ったら名前を尋ねるとこから始めるか。」
「.....おぅ。」



今夜は興奮して眠れない予感がした。



(あんな初心なキッドも怖いな....)
(まあ、女に興味を示しただけでかなりの進歩だ)
(その女、見つかるといいな)


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キッドサイドを書いてみました。
変換がなくてすいません!!
ローとは正反対に暴走してくれるといいなと思ってます。

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