犬鬼灯
□第5話 タコの時間
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「おはようございます。」
先生の挨拶の声を聞き、机に突っ伏していた顔をあげる。
結局学校についてからも教室で寝ていた。暗梨が何か言いたげにこちらを見ていたけど無視した。ごめんね、眠いんだ。話があるなら後で聞くよきっと。
「…ん?どうしましたか皆さん?」
カルマの“いたずら”により微妙な雰囲気になっているクラスの空気に疑問を抱いた先生は、すぐにその原因を見つけることとなる。
教卓で、ナイフの刺さったタコが死んでいる。
何を隠そう、先ほどのタコである。
「あ、ごっめーん!殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ。捨てとくから持ってきてよ。」
そのカルマの発言を受けてか、先生はマッハでミサイルや何やらを持ってきた…かと思えば、次の瞬間にはカルマの口にホカホカとしたタコ焼きが放り込まれていた。さすがに出来立ては熱いのか、カルマは思わずそれを口から吐き出す。
「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでタコヤキを作りました。これを食べれば健康優良児に近付けますね。」
まあ朝も早くからタコ買いに行ってたからね。食べてないよね。ちなみにアタシも食べてない!隣でたこ焼きなんて出されたからお腹空いた!
「先生はねカルマ君。手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を。」
「今日1日本気で殺しに来るがいい。そのたびに先生は君を手入れする。」
「放課後までに君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう。」
たこ焼きアタシの分ももらえました。