犬鬼灯
□第2話 野球の時間
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「アメリカでも月の爆発が話題ばかり。もっと楽しい一面記事が欲しいですねぇ。」
そんな声が聞こえて下を見ると殺せんせーが新聞を読んでいた。
「毎朝HR前は校舎裏でのくつろぎがあいつの日課。
マッハ20でハワイに寄って買ったドリンクと英字新聞で。」
と、今度はかなり小さな声が聞こえ、そちらを見ると杉野と潮田。
二人の会話からするとこの場所は毎朝先生が使っているらしい。
明日からは別の場所にしよう。
ああ、ちなみに説明するとここは木の上だったりする。1時間目からサボる気満々だったんだが、多分先生に居場所バレているだろう。まあそれでもサボるが。
なんてごちゃごちゃ考えてる間に杉野の暗殺が失敗してた。
やっぱスピード速すぎだろあの先生。
いやそれよりも杉野の奴、少し落ち込みすぎじゃないか?
そんなことを考えながら教室に戻っていく杉野と潮田を見る。
「覗き見なんて趣味悪いと思うよ暗梨ー。」
声をかけると近くの木の影から暗梨がでてくる。
「雫には言われたくないかな。」
「わはは。アタシは堂々と見てたよ、あいつらが気付かなかっただけ。」
「そう。」
「お前は授業受けないの?」
「受けるよ。雫は?」
「暗梨は真面目だねぇ。気が向いたら行くよ。」
ふーん、とだけ言って教室に向かう暗梨にヒラヒラと手を振って再び木に背中を預け、眠る体勢に入る。
ちなみにアタシのサボりはHRが終わり、授業が始まる前に呼びにきたタコに阻止された。
次からは別の場所にしよう。